車の下取りと買取の違い|売るときは結局どっちがお得なの?

車の売却
yasu

自動車整備士として車業界に15年以上携わり、修理の知識はもちろん車の売買からコーティングまで幅広い知識をいかして記事を執筆。国家資格の自動車整備士免許だけでなく、中古車査定士などの資格も取得しています。

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車の売却には、下取りと買取の2種類があります。この違いを知らなければ、車を安く売却することにもなりかねません。

基本的には下取りは買取よりも、金額面で損をしてしまうことも多いですが、それでも下取りを利用する方は非常に多いのはなぜでしょうか?

もしかしたら、下取りと買取の違いを良く理解していなかったり、誤解していることが原因かもしれません。

そこで今回は、下取りと買取の違いや、それぞれのメリット、デメリットをまとめました。自分にとって一番良い選択ができるように、是非参考にしてください。

車の下取りと買取の違い

下取りの場合

車を売る時には、下取りと買取があります。下取りと言うのは、新しく車を購入するときに、現在乗っている車を引き取ることです。

下取りと聞くとディーラーをイメージする方が多いと思いますが、中古車販売店などでも下取りは行っています。

つまり、どこの業者でもただ車を売るだけでなく、その店舗で次の車を購入するという前提条件がある場合に下取りという言葉が使われます。

下取りの場合は、現在乗っている車の価値に相当する額を、購入する車の値引き額として計算されるため、基本的に現金を手にすることはありません。

買取の場合

車の買取を利用する場合、下取りとは違って次の車を購入するという条件はありません。つまり、車の売却先を自由に選ぶことができるということになります。

次の車を購入するしないに関わらず売却ができるので、複数の買取店を比較して最も高いところに車を売ることもできるでしょう。

車の買取は、ガリバーやビックモーター、アップルやラビットといった大手の買取店だけでなく、中古車販売店なども行っています。

中には買取を行っているディーラーもあり、その場合は、新車を購入するかどうかに関わらず車を売ることが可能です。

また、買取の場合、下取りと違って現金を手にすることが可能で、何に使うかはもちろん自由です。

車を下取りしてもらうメリット・デメリット

下取りのメリット

下取りを利用する主なメリットは、

  • スムーズに車の乗り換えができる
  • 次の車の納車まで今の車を乗り続けることができる
  • 値引き交渉に利用できる

という3つがあります。

スムーズに車の乗り換えができる

下取りを利用するメリットは、車の購入と売却を一貫して同じ店舗に任せられることです。車の購入と売却が同時進行できるので、スムーズに車の乗り換えができるというメリットがあります。

買取店に車を売却する場合は、購入と売却する店舗が別になってしまうため、どうしても手間がかかります。

買取額がいくらになるかわからないと購入の手続きも進めにくい場合も多いため、売却先の買取店を決めるのが遅れると、その分車の購入も遅れてしまうでしょう。

また、現在乗っている車にローンが残っている場合、ディーラーの所有権がついているという場合もあるかもしれません。

所有権がついていても車の売却は可能ですが、所有権解除に必要な書類を準備する必要があります。

前回と同じディーラーで車を買い替えるという場合であれば、所有権解除に必要な書類も同じところで揃うので、所有権がついていても比較的スムーズな乗り換えが可能です。

所有権の解除方法や、ローン期間中の売却などについては下記をチェックして下さい。

納車まで車を乗り続けることができる

下取りを利用する場合、基本的に次の車が納車されるまで今の車を乗り続けることができます。

先に車を引き取りしなければいけない場合もあるかもしれませんが、その場合は必ず代車を用意してくれるでしょう。

一方、買取店に売却する場合、引き取りと納車のタイミングを調整する必要があります。

買取店も早めに引き取りしたい場合には代車を用意してくれるところはありますが、全ての買取店が代車を用意してくれるとは限りません。

購入と買取を同時に進行しながら、タイミングが合わなかった時のために、代車を借りられるかどうかを事前に確認をしておく必要があるでしょう。

場合によっては、足が無くなってしまったり、買取額が変わってしまったりすることもあるため注意が必要です。

値引き交渉に利用できる

新車を購入するときには、値引き交渉をするというのが当たり前になっています。

しかし、人気の車種やメーカーによっては、値引きを殆どしない場合もあります。

値引きをしないというのは、販売戦略の1つであることが多く、車を販売する営業マンは、値引きがしたくてもできない状況です。

そんな時下取り車があれば、値引きの代わりに下取り価格を上げるといった交渉が可能で、実質的な値引きを受けることができます。

場合によっては、下取り価格を思った以上に高く見積りしてくれることもあるかもしれません。

下取りのデメリット

下取りを利用する最大のデメリットは、買取よりも安くなりやすいということです。

その理由は、

  • 他店との比較がしづらい
  • 値引き額がわかりづらくなる

といった2つがあります。

下取りは車を購入する店舗との交渉になるため、比較がしづらいというだけでなく、下取り価格も値引き扱いになるため、本来できる値引きと下取り価格の区別が難しくなります。

値引きは殆どせずに下取り価格を高くみせてお得感を出したり、その逆で値引きを大きくみせて下取り価格を低めにするなど、営業側に有利になることが多いです。

値引きと下取りの区別をはっきりさせるには、まず下取りなしで値引き交渉し、値引き金額をハッキリさせてから下取り価格を交渉しましょう。

また、車の買取相場をある程度把握し、下取り価格が適正であるかの判断も必要です。

買取相場は簡単に調べられるサービスがいくつかあるので、詳しくは下記を参考にして下さい。

買取を利用して車を売却するメリット・デメリット

買取のメリット

車の買取を利用する主なメリットは、

  • 買取額が高くなりやすい
  • どんな車でも買取できる
  • 買取金額を自由に使える

といった3つがあります。

買取額が高くなりやすい

車を買取店に売却する場合、下取りよりも買取額が高くなりやすいというメリットがあります。

買取の場合、車をその店舗で購入するという制限がないため、複数の店舗を比較して一番高く買い取ってくれるところを選べるからです。

下取りのほうが次の車を購入する分高く売れそうというイメージもあるかもしれませんが、下取りをしなければ車が売れないということは殆どなく、残念ながら価格にも影響はありません。

特にディーラーは下取りを積極的に行うことはまずないので、価格も安くなる傾向があり、比較すると数十万円違うこともあるくらいです。

また、買取店は積極的に車を買取し、買取した車を少しでも高く売るためのあらゆるルートを持っています。

競合店も多く、しっかり比較して買取店を選ぶことさえできれば、殆どの場合で下取りより高く車を売ることができるはずです。

どんな車でも買取できる

買取店に売却する場合、メーカーや車種に関係なく一番高く売れるところに買取してもらうことができます。

仮に事故車や不動車といった場合でも、専門的に買取している業者があるため、基本的にはどんな車でも買取できるでしょう。

一方、ディーラーの下取りの場合、購入する車と現在乗っている車のメーカーが違うと、下取り価格も低くなりがちです。

他メーカーでも下取りは可能ですが、販売ルートがかなり限定されてしまうため、高く売ることは難しいでしょう。

また、買取査定で値段がつかない車でも、下取りなら値がつくと思っている方も多いかもしれません。

しかし、実際にはその分値引きを減らしているだけなので、高く買取してくれたと思わされているだけです。

もし、下取りや買取で値段がつけられないと言われた場合には、売却先を変更しましょう。年式の古い車や走行距離が多い車でも、買取店の選び方を間違えなれば買取してもらえます。

間違っても廃車費用を払って車を処分するということがないように、下記の記事も参考にして下さい。

買取金額を自由に使える

買取店に車を売却した場合、買取価格は現金で振込されるのが一般的です。このお金は次の車の頭金にしても良いですし、社外パーツなどに使うこともできます。

使い道は自由なので、いざという時のためにそのまま残しておくのも良いかもしれませんね。車は購入してからも色々と費用がかかるので、まとまったお金が残るというのは大きなメリットになるはずです。

買取のデメリット

車の買取を利用する場合、最大のデメリットは高く売るためには手間がかかるということです。

買取が高く売りやすいといっても、基本的にどの買取店もできる限り安く買取したいと思っているので、ただ買取店に行けば良いというわけではありません。

買取を利用して車を高く売るためには、少なくとも3社以上の買取店を比較したほうが良いため、査定や交渉などの手間はどうしてもかかってしまいます。

手間を減らすなら一括査定がおすすめ

買取を利用するデメリットである手間を減らすためには、一括査定を利用しましょう。複数社の見積りを比較するには、一括査定を利用すれば簡単にできます。

基本的には出張査定になるので、自宅にいながら複数社の見積りを比較できるでしょう。

一括査定は、しつこい営業電話などの悪いイメージが先行していますが、一括査定自体はとても便利なサービスであると言えます。

一括査定にも複数の会社があり、自分に合った正しい選び方と、使い方さえ間違えなければ、多くの方が使って良かったと思うはずです。

どの一括査定を利用したら良いか分からないという方は、下記の記事を参考にして下さい。

結局下取りと買取はどっちがお得?

下取りと買取には、それぞれメリット・デメリットがあります。

どちらが得かはあなたが何を重視するかによっても変わるため、一概には言えませんが、少しでも高く売りたいなら買取がおすすめです。

逆に、そこまで高く売れなくてもいいから手間をできるだけ減らしたいという方は下取りのほうが合っているでしょう。

また、最近では手間もかからず、たった1回の査定で8000社以上の買取店が参加するオークションに無料で出品できる車買取サービスも出てきています。

買取店同士が入札金額をみて勝手に競合する仕組みであるため、面倒な交渉も一切不要です。

ただし、もちろん良いことばかりではなく、入札が少なければ希望価格に届かず、売却が成立しない場合もあります。

とはいえ、無料で利用できるので、手間をかけずに車を高く売りたいなら一度試しに利用してみても良いでしょう。

詳しくは下記の記事でもまとめてありますので、興味のある方は参考にして下さい。