車の廃車手続きを自分で行うための必要書類と手順を解説!本当にお得な方法とは?

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yasu

自動車整備士として車業界に15年以上携わり、修理の知識はもちろん車の売買からコーティングまで幅広い知識をいかして記事を執筆。国家資格の自動車整備士免許だけでなく、中古車査定士などの資格も取得しています。

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車の廃車手続きは自分でも行うことができます。多少の手間はかかりますが、お店に頼むと代行手数料を取られるので、廃車にかかる費用を節約したい方は挑戦してみましょう。

ここでは、車の廃車手続きの種類や手順、必要書類や注意点などを解説します。この記事を最後まで読めば廃車手続きへの疑問や不安が解消し、初めての方も自分で行うことができるはずです。

廃車手続きの種類

まず、一言に廃車といっても手続きには2種類あります。

  • 一時抹消登録(軽自動車は自動車検査証返納届)
  • 永久抹消登録(軽自動車は解体返納)

一時抹消登録とは、文字通り一時的に車を使用しなくなったときに行う手続きです。車は車検の有無や使用状況に関わらず、所有(登録)しているだけで自動車税が毎年課税されてしまいます。

一時抹消登録をすれば自動車税の課税は止まるので、転勤などで一時的に車を使用しない場合や、誰かに譲ったり売却するかもしれない場合はこちらの手続きを行いましょう。

もう一方の永久抹消登録とは、文字通りその車を二度と使用しない場合に行う手続きです。永久抹消登録をするには、車の解体をしたという証明が必要になります。

つまり、廃車手続きより先に解体屋やスクラップ工場などに車の処分を依頼するという手順が必要になるということです。

また、気になる廃車手続きの費用ですが、どちらの手続きでも数百円程度で済みます。

代行手数料がかかるお店だと1万円前後の費用が発生する場合もあるため、自分で手続きができれば費用は大きく節約できるはずです。

ただし、永久抹消登録は解体屋に車を持っていく必要があるため、自走できない場合はレッカー代等が発生する可能性があるので注意して下さい。

廃車の手続きを申請する場所

廃車を申請する場所は車検証に記載されている『使用の本拠の位置』を管轄する運輸支局(陸運局)になります。簡単にいえば、車のナンバーを管轄している運輸支局です。

管轄の運輸支局が分からない場合は、下記の国土交通省ホームページから調べられます。

自動車:全国運輸支局等のご案内

通常は使用の本拠の位置と現住所は同じになっているはずですが、引っ越しの直後などで遠方になっている場合もあるでしょう。

この場合、移転抹消登録という手続きを行えば、管轄の運輸支局でなくても廃車は可能です。

移転抹消登録とは、移転登録(名義変更や住所変更)と抹消登録を同時に行うことで、必要な書類は増えますが、通常であれば二度の手続きが必要なところを一度の手続きで廃車できます。

また、移転抹消登録は廃車が前提となるため、車庫証明書を取りなおす必要はありません。

引っ越しなどの場合だけでなく、所有権解除をしていなかったり、車検証の所有者が他人になっている場合も移転抹消登録で廃車が可能です。

自分で普通車を一時抹消登録する場合の必要書類

自分で普通車を一時抹消登録する場合は、以下の書類が必要です。

  • 車検証
  • 所有者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 実印(印鑑証明書と同一のもの)
  • ナンバープレート(前後2枚)
  • 一時抹消登録申請書
  • 手数料納付書
  • 自動車税・自動車取得税申告書(地域によって不要の場合有)

申請書や納付書、申告書は陸運局で入手できるので、事前に準備しなくても問題ありません。

車の所有者本人が申請に行く場合は、実印を直接申請書に押印できるため委任状は不要ですが、所有者以外が申請に行く場合は、所有者の実印が押印された委任状が必要になります。

また、普通車の後方にあるナンバープレートには封印がついていて、むやみに外すことは禁止されていますが、廃車の際は自分で外しても問題ありません。

単純に蓋がしてあるような状態なので、ドライバーなどを差し込み、えぐるようにして蓋を破るとナンバーをとめているネジが見えるはずです。

後は通常のナンバープレートと同じようにネジを回せば取り外すことができます。

車検証の氏名や住所が印鑑証明書と異なる場合

普通車の廃車手続きを行う場合、車検証に記載されている所有者の氏名や住所は印鑑証明書と同一でなければなりません。

結婚や離婚によって氏名が変わっている場合、記載内容の変更登録を行う必要があるため、旧姓がわかる住民票や戸籍謄本が必要となり、併せて申請書も別途必要です。

また、車検証と印鑑証明書の住所が異なる場合も変更の手続きが必要になります。

車検証に記載されている住所から印鑑証明書に記載されている住所へ変更されたことが分かる書類(住民票など)が必要です。

複数回住所が変わっていると、住民票を複数用意しなければならなくなりますが、その場合は住所変更の経緯が分かる戸籍の附票でも手続きできます。

車検証の所有者が自分では無い場合

所有権を解除していなかったり、譲り受けた車をそのまま乗っていた場合など、車検証の所有者が自分以外になっていることがあります。

この場合、名義変更してから廃車手続きをする必要があるため、それらをまとめて行う『移転抹消登録』という手続きをしなければなりません。

一時抹消登録の書類にプラスして、譲渡証明書や旧所有者の委任状、印鑑証明書が必要になります。

通常だと移転登録(名義変更)には車庫証明書が必要になりますが、移転抹消の場合は抹消登録が前提となっているため不要です。

手続きは通常の廃車手続き同様に新所有者(自分)の住所を管轄する運輸支局(陸運局)で手続きを行うことができます。

自分で普通車を永久抹消登録する場合の必要書類

自分で普通車の永久抹消登録する場合は以下の書類が必要になります。

  • 車検証
  • 所有者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
  • 実印(印鑑証明書と同一のもの)
  • ナンバープレート(前後2枚)
  • 永久抹消登録申請書(及び解体届出書)
  • 手数料納付書
  • 自動車税・自動車取得税申告書(地域によって不要の場合有)
  • 解体にかかる移動報告番号及び解体報告日

基本的には一時抹消登録と必要書類は変わりませんが、永久抹消登録の場合は解体にかかる移動報告番号と解体報告日を申請書に記入しなければなりません。

これらは解体が終わると業者から通知されるものですが、その際に忘れずにメモしておきましょう。

もし忘れてしまった場合はリサイクルシステムのホームページ内にある使用済自動車処理情報検索から確認することもできます。

また、一時抹消登録のところでも解説したように、車検証に記載されている氏名や住所が違う場合は
変更が必要になるため、別途書類が必要です。

所有者が他人の場合も同様で、移転後(名義変更後)に永久抹消登録となるため、旧所有者の譲渡証明書や委任状、印鑑証明書が必要になります。

重量税の還付が伴う場合(車検が1ヶ月以上残っている場合)

車検が1ヶ月以上残っている状態で永久抹消登録をする場合、残りの期間に応じて重量税の還付を受けることができます。

重量税の還付を受ける場合は、金融機関の口座情報や所有者の個人番号(マイナンバー)の記載が必要です。

併せて本人確認と個人番号の確認も必要になるため、免許証などの本人確認書類以外に個人番号が確認できるものも必要になります。

マイナンバーカードなら1枚で済みますが、発行していない場合は通知カードなども併せて持参しましょう。

また、永久抹消登録後には登録事項等証明書(廃車証明書)が手数料300円程で発行できます。自賠責保険料の還付などに使用するので、忘れず発行して保管して下さい。

自分で軽自動車の自動車検査証返納届をする場合の必要書類

自分で軽自動車の自動車検査証返納届(一時使用中止)をする場合に必要な書類は以下の通りです。

  • 車検証
  • 使用者の印鑑(認印または署名でも可)
  • ナンバープレート(前後2枚)
  • 自動車検査証返納証明書交付申請書・自動車検査証返納届出書
  • 軽自動車税申告書

軽自動車の場合は普通車と比べて必要書類はかなり少なく、申告書や申請書は軽自動車検査協会で当日入手できます。

手続きに必要な印鑑も認印で良いため、印鑑証明書や委任状がなくても廃車手続きをすることができます。

署名でも可能なので、自分で手続きに行く場合は車検証とナンバープレートさえあれば廃車可能といっても良いでしょう。

ただし、使用者と所有者の名義が違う場合、所有者の認印が必要となる場合があるので、念のため用意しておくと安心です。

自分で軽自動車の解体返納をする場合の必要書類

自分で軽自動車の解体返納(普通車でいう永久抹消)をする場合に必要な書類は以下の通りです。

  • 車検証
  • 使用者または所有者の印鑑(認印可)
  • ナンバープレート(前後2枚)
  • 解体にかかる移動報告番号及び解体報告日
  • 解体届出書
  • 軽自動車税申告書

普通車同様に解体業者から解体後に通知される移動報告番号や解体報告日が必要になります。移動報告番号は使用済自動車引取証明書(リサイクル券)でも確認が可能です。

また、重量税の還付を受ける場合は普通車と同じように個人番号(マイナンバー)が必要になります。

本人確認も併せて必要になるため、マイナンバーカードをお持ちでない方は免許証などにプラスして個人番号が確認できる書類を持参しましょう。

軽自動車の場合も解体返納後に検査記録事項等証明書(廃車証明書)が発行できます。自賠責保険などの還付に必要なので、忘れず発行して無くさないようにしましょう。

自分で廃車手続きをする際の注意点

自分で廃車手続きをする場合、現在車検が残っているとしてもその車を乗っていくことはできません。なぜなら、廃車手続きにはナンバープレートを返却する必要があるからです。

行きは良くても帰りに車を乗ることができないため、廃車手続きは基本的に公共交通機関や別の車などの移動手段で運輸支局に行く必要があります。

各地の運輸支局は基本的に車で行くことを想定されているせいか、交通の便があまり良いとは言えない場所にあることも多いです。

書類の不備があると非常に面倒なことになるため、廃車手続きに行く際は書類が揃っているか確認しましょう。

ちなみに、廃車手続きは平日の8:45~16:00までが受付時間です。

書類さえ揃っていれば手続き自体はそれほど時間のかかるものではありませんが、3月は運輸支局も混雑するので時間に余裕を持って行いましょう。

廃車手続きに必要な期間と注意点

一時抹消登録は、必要な書類を揃えて運輸支局にいけば手続きは当日完了します。

しかし、永久抹消登録は事前に車の解体を業者に依頼し、解体が完了してからの手続きとなるため、5日~10日前後の期間がかかります。

自動車税は3月中に廃車手続きを完了しないと5月に納付書が届いてしまうため、3月中の廃車手続きは注意が必要です。

特に軽自動車は自動車税の月割り還付がないため、月をまたぐと1年分の自動車税を余計に払うことになるので気を付けましょう。

もし3月中の手続きが間に合いそうになければ、先に一時抹消をしてから永久抹消をすることも可能です。

また、重量税の還付を受ける場合も1ヶ月単位で金額が変わるので、月をまたぐ際は早めに手続を行いましょう。

廃車手続きは業者に依頼した方がお得?

ここまで廃車手続きを自分で行うために必要な知識や手順を解説してきました。廃車手続きは必要な書類も多く、申請書などを作成するだけでも手間がかかります。

さらに、平日の限られた時間に管轄の運輸支局まで足を運ぶ必要もあり、永久抹消登録の場合は解体屋を探して車を持っていく手間もかかるでしょう。

時間に余裕があったり、一時抹消登録だけなら良いかもしれませんが、永久抹消登録の手続きを自分で行うのはあまりおすすめしません。

なぜなら、廃車買取業者を利用すれば費用も手間もかからないからです。

廃車買取業者は、車のパーツや金属をリサイクルできるため、通常の買取店やディーラーなどで査定がつかない車でも買取してくれる場合があります。

費用がかからないどころか逆に買取して貰えることも多いため、わざわざ自分で手続きにいかなくてもお得に廃車ができるでしょう。

廃車買取業者は色々ありますが、全国対応可能な廃車本舗が最もおすすめです。

買取査定のような実車査定は不要で、すぐに買取額がわかるので、自分で廃車手続きをするのが面倒だなと感じた方は無料見積りを試してみましょう。

廃車本舗がおすすめの理由を詳しく知りたい方や廃車買取業者を比較して選びたい方は下記の記事も参考にしてください。

まとめ

廃車手続きには一時抹消登録と永久抹消登録という2種類があり、必要な書類や廃車の手順も違います。普通車と軽自動車でも必要書類は変わるため、自分で手続きに行く場合は注意して下さい。

書類の準備や手続きには手間と時間がかかります。自分で行かなくても廃車買取業者へ依頼すれば簡単に廃車ができ、費用もかかりません。

それでも自分でやりたい場合は止めませんが、買取してくれる場合もあるので、一度見積りをとってから検討してみても良いのではないでしょうか?

単純に費用だけでなく、手間や時間を考えてどちらがお得かを選択すると良いと思います。

また、廃車買取業者を利用する際は怪しい業者に依頼しないようにしましょう。思わぬトラブルや犯罪に巻き込まれてしまう場合もあるので注意して下さい。

不安な方は下記の記事も併せてチェックしてみて下さいね。