軽自動車は何キロ走ると寿命?走行距離の限界や購入、売却時の目安

車の購入
yasu

自動車整備士として車業界に15年以上携わり、修理の知識はもちろん車の売買からコーティングまで幅広い知識をいかして記事を執筆。国家資格の自動車整備士免許だけでなく、中古車査定士などの資格も取得しています。

yasuをフォローする

今乗っている軽自動車は何キロまで走れるのか…乗り換えを考えたときにふと思う人は多いでしょう。

走行距離は車の寿命を判断する目安として考えられることも多く、特に10万キロ付近になってくると買い替えを検討する人は多いはずです。

軽自動車は普通車と比べれば耐久性が低いと言われていますが、買い替えるならどの程度の走行距離がベストのタイミングなのでしょうか?

逆に、乗り潰すとしたら限界は何キロまで走れるのかということも気になりますよね。そこで今回は、軽自動車の走行距離という観点から寿命の目安についてまとめてみました。

これから中古の軽自動車を購入する方や、今現在乗っている軽自動車の乗り換えを考えている方は参考にして下さい。

軽自動車はどのくらいの走行距離で寿命なの?

軽自動車は、普通車よりも耐久性が低く、寿命が短いと言われることも多いです。確かに軽自動車は、コストの削減や軽量化を考えて作られているので、普通車と比べれば劣る部分はあります。

しかし、車体が軽い分、部品にかかる負荷も少ないので、普通車と比べて軽自動車の寿命が極端に短いというわけではありません。

軽自動車であっても、メンテナンスをしっかり行っていれば、走行距離が10万、20万キロを超えて乗ることはもちろん可能です。

ただ、軽自動車は排気量が小さいので、パワー不足を補うためにどうしてもエンジンが高回転になりがちです。

乗り方によってはエンジンに大きな負荷がかかり、その分軽自動車の寿命も短くなります。

また、毎日車に乗る人とたまにしか乗らない人は走行距離の増え方が全然違いますが、車は毎日乗っているほうが調子良く乗れるため、単純に走行距離だけでは寿命を判断することはできません。

限界は80万キロ?30万キロ以上は全然走れる!

軽自動車の走行距離はどこが限界なのか知りたいという方もいると思うので、色々とネット上で探してみました。

ちなみに、世界で最も走行距離の長い車としてギネスブックに載っている記録は483万キロで、車種はボルボのP1800みたいです。

軽自動車の走行距離についてのギネス記録は見つかりませんでしたが、スバルのサンバーで83万キロ目前まで走ったという投稿がメーターの画像付きでされていました。

参考:【mixi】スバル サンバーコミュの走行距離

サンバーは赤帽でも使われる軽貨物自動車で、この車両もエンジンに強化部品を使用している可能性はありますが、限界まで走ろうと思えばここまで走ることもできるということですね。

このように、軽自動車の寿命を修理不可能な状態まで壊れることとした場合、メンテナンスや乗り方次第では20万キロ、30万キロ以上乗れることもあります。

逆に、10万キロも走れずに寿命を迎えてしまうこともあるので、単純に走行距離だけで判断するのは難しいでしょう。

一方、車としての価値がなくなることを寿命とするのであれば、ある程度の目安が走行距離からわかります。次は売却する時の査定価格を基準に軽自動車の寿命をみていきましょう。

売却時の査定価格で考えるなら寿命は15万キロ!

軽自動車でも、メンテナンスさえしっかりしていれば、走行距離が20万キロを超えても乗り続けることは可能ですが、売却時に値がつくかどうかというのは別の話です。

一般的には走行距離が10万キロを超えると、売却時の査定額は大きく下がります。ただ、軽自動車は需要が高く、10万キロ程度の走行距離であれば、車種や年式によってはまだ値がつくことも多いです。

しかし、15万キロ以上の軽自動車となれば、需要はかなり少なくなるため、再販価値も殆どなくなります。

実際に中古車検索サイトなどで探してみても、走行距離が15万キロ以上の軽自動車はまず見かけません。

普通車であれば、海外市場への輸出も選択肢としてあるのですが、軽自動車の場合はそれもあまり期待できないでしょう。

車自体に価値があるかという意味では、15万キロ程度が軽自動車の寿命と考えることができます。

軽自動車を売却する際の走行距離の目安

軽自動車を売却する際には、走行距離が1つの目安になります。

基本的には5万キロ、10万キロといった価値が大きく下がるポイントがあるので、売却を考えるならその前に売却したほうが高い査定が受けられるはずです。

しかし、走行距離が10万キロを超えてしまっていたとしても、買取してくれる可能性はあります。

こんな車価値なんかないや・・・と最初から諦めていると安く買い叩かれてしまうので注意しましょう。

少しでも高く車を売りたいなら複数の買取店をしっかり比較しながら検討して下さい。一括査定を利用すれば比較は簡単にできますよ。

また、それ以外に年式やモデルチェンジなどによっても査定額は大きく変動します。買い替えるべきか乗り潰すべきか迷ったら、下記の記事も参考にして下さい。

軽自動車を購入する際の走行距離の目安

中古の軽自動車を購入する際には、どんな車を探しているのかによっても走行距離の目安は変わってきます。

もちろん走行距離だけで判断するのは危険ですが、ある程度の目安をまとめてみましたので参考にして下さい。

年式の新しい軽自動車や売却まで考えるなら3万キロまで

年式の新しい軽自動車を購入予定の方や、購入してから再度売却する可能性のある方は、3万キロ程度を目安にしましょう。

なぜなら、年式が3年落ち以内であれば、走行距離が極端に多いというわけでもありませんし、数年後に売却することを考えても、まだまだ再販価値があるからです。

仮に1年に1万キロ走行距離が増えると仮定し、購入後から4年(車検2回)が経過しても、走行距離は7万キロ程度なので、十分売却できるでしょう。

また、7万キロ程度までならメンテナンスも消耗品の交換くらいで済むことが多く、維持費もそこまでかからないためおすすめです。

安く買って購入後は乗り潰すつもりなら7万キロまで

購入後はできるだけ長く乗りたい、売却を考えずに乗り潰すまで乗るつもりという方は、走行距離は多くても7万キロ程度までにしましょう。

軽自動車に限らず、中古車は5万キロを超えると価格が大きく下がることが多いため、走行距離が5~7万キロ辺りを狙うと、価格も安くてまだまだ乗れる軽自動車が見つかるはずです。

ただし、走行距離が10万キロを超えるとさらに車の価値が大きく下がるので、再販価値は殆どなくなります。基本的には乗り潰すまで乗る気持ちで購入すると、コスパの良い買い物ができるはずです。

また、価格は安くなりますが、10万キロ付近でタイミングベルトなどの多くの部品が交換時期を迎えるため、メンテナンスにかかる費用が少し上がる点にも注意してください。

とにかく安い軽自動車を探すなら10万キロ越えも視野に

走行距離が10万キロを超えると、かなり価格は下がるため、とにかく安く軽自動車を購入したい場合にはおすすめです。10万キロを超えていたとしても、車はまだまだ乗り続けることができます。

しかし、それは今までにどんな乗り方をされていたかにもよります。殆どメンテナンスをしてこなかった車を選んでしまうと故障が頻繁に発生するかもしれません。

購入時には車の状態を良く見て、なるべく状態の良さそうな車を選びましょう。これまでの点検記録簿などが残っていると、ある程度の履歴も分かりますし、大事に乗っていた可能性が高いのでおすすめです。

年式の割に走行距離が少なすぎる車は要注意!

中古の軽自動車を購入する際、走行距離だけを見るのではなく、年式も併せてチェックしましょう。

一般的には、1年で1万キロ程度の走行距離が増えるとされていますが、中には年式の割に極端に走行距離が少ない車があります。

このような車は、

  • 買い物などのチョイ乗りが多い
  • 乗らずに放置されていた
  • 事故車やメーター改ざん車、又は交換車

などといったことが考えられます。

今は車検時に走行距離が記録されるので、メーターの改ざん等は殆どありませんが、チョイ乗りや放置車にもリスクがあります。

エンジンオイルというのは、一度熱が入った状態から劣化が進みますが、多くのユーザーはそのことを知らずに走行距離を目安に交換します。

また、エンジンが温まる前にON、OFFを繰り返すチョイ乗りは、水分がエンジン内に残りやすく、さらにオイルなどの劣化を早めます。

チョイ乗りの多い状態はシビアコンディションとも言われており、メーカー側も消耗品の交換時期を早めるように推奨しているくらいです。

長い間放置されていた車も同様に、オイルの劣化や油膜切れをおこしている可能性もあります。

このように、走行距離が極端に少ない車は、思った以上にエンジンへの負担が大きくなり、故障などが多かったりする場合もあるので注意が必要です。

販売店の方がどんな乗り方をしていたか把握している場合もあるので、極端に走行距離の少ない車は一度理由を聞いてみると良いかもしれませんね。

軽自動車を長く乗るための秘訣

最後に、軽自動車を長く乗るためのコツをご紹介したいと思います。軽自動車を長く乗るための秘訣はもちろんメンテナンスです。

車検や点検などを受けた際に、交換時期が近付いているものは早めに交換しておきましょう。

また、軽自動車は、排気量が小さく、パワーが無いため、必然的に普通車と比べてエンジンが高回転になることが多いです。特にターボ車の場合は、より高回転になるのでその分負担も大きくなります。

そのため、オイル管理は普通車以上に重要で、定期的なオイル交換をしっかりしているかが軽自動車の寿命に大きく関わります。

整備士として色々な車を見てきましたが、オイル管理がしっかりできていない軽自動車はオイル漏れやオイル上がり、オイル下がりなど、とにかくオイル関係のトラブルが非常に多いです。

軽自動車のオイル交換時期

軽自動車は使用するオイルの量も少なく、オイル交換の費用も比較的安いので、5000キロ、又は6ヶ月に1回のペースで交換するのがおすすめです。

ターボ車の場合であれば、走行距離が3000キロ程度を目安に交換しても良いくらいです。

メーカーの推奨は10000キロや1年くらいになっていることも多いですが、あくまで最低ラインの交換目安と考えて下さい。

また、2回に1回はオイルフィルター(エレメント)の交換も忘れずにしておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?軽自動車は普通車に比べて寿命が短いと思われがちですが、しっかりメンテナンスをしていれば、普通車と変わらないくらい長く乗り続けることもできます。

今回は走行距離を基準に購入や売却の目安をまとめてみましたが、車の価値を決めるのは走行距離だけではありません。

年式や需要などによっても大きく左右されるので、走行距離はあくまで目安として考えましょう。

また、軽自動車は普通車と比べて新古車が多く流通する傾向にあります。殆ど新車と変わらないのに安く買えるため、新古車を狙っている方も多いかもしれませんね。

軽自動車の新古車を狙っている方は、下記の記事に効率の良い探し方などをまとめてあります。興味があれば併せてチェックしてみて下さい。