タイヤがパンクして動かせない…対処法と修理可能かどうかの見分け方!

車のメンテナンス
yasu

自動車整備士として車業界に15年以上携わり、修理の知識はもちろん車の売買からコーティングまで幅広い知識をいかして記事を執筆。国家資格の自動車整備士免許だけでなく、中古車査定士などの資格も取得しています。

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車のトラブルで多いのがタイヤのパンク。車を乗っている方なら多くの方が一度は経験したことがあるのではないでしょうか?

タイヤのパンクは適切な対処をすれば修理費用もそこまでかかりませんが、間違った対処をすると修理費用が高額になってしまうこともあります。

また、パンクした箇所によっては修理ができずにタイヤが交換になる場合もあります。

ここでは、車のタイヤがパンクした時に、修理可能かどうか見分ける方法や、適切な対処方法を解説します。

車のタイヤがパンクしたらどうする?

車のタイヤがパンクしていることに気付くタイミングは、車が止まっている時と走行中の大きく分けて2種類です。もし走行中に違和感を感じた場合は、慌てずゆっくり安全な場所に停車します。

空気圧がかなり減ってから気付くことが多いですが、ハンドルが重くなったり、轍などでハンドルが大きくとられるようになったらパンクしている可能性が高いです。

タイヤを確認し、明らかに空気が抜けているようならそのまま走行してはいけません。スペアタイヤに交換し、パンクしたタイヤを修理する必要があります。

また、タイヤに釘などが刺さっているのを見つけたとしても、基本的には抜かないほうが良いです。抜いてしまうと今まで塞がっていた穴から勢い良く空気が漏れてしまう可能性があるからです。

パンクしているのか分からず、釘を抜いて確認する場合は、パンク修理が可能な場所に行ってから抜いてみることをおすすめします。

パンクしたタイヤで走行するとどうなる?

パンクしたタイヤで走行するのは非常に危険です。タイヤの空気圧が低いため、たわみが発生し、タイヤの側面に傷が入ってしまいます。

タイヤの側面は接地面とは構造が違い、薄くて強度も低いです。

側面に傷が入れば、タイヤがバースト(破裂)する危険性もありますし、パンク修理も不可能になり、タイヤ交換が必要になるため、修理費用も高くなってしまいます。

ランフラットタイヤを装着している車であれば、パンクしていてもある程度の速度で一定の距離を安全に走行することができますが、タイヤが交換することになるという点は同じです。

また、パンクしたタイヤで走行することにより、ホイールが傷ついたり変形してしまえば、ホイールも交換することになるかもしれません。

安全面や修理費用が高額になることを避けるためにも、パンクしたタイヤはそのままにせず、必ずスペアタイヤに交換してから移動しましょう。

スペアタイヤが無くて動かせない場合は?

最近の車は、スペアタイヤがオプションになっていて、標準装備として装着されていない場合も多くなっています。

その場合は、空気を充填し、内側から穴を塞ぐ『応急修理キット』というのが代わりに入っているはずです。

しかし、この応急修理キットを使用するのはあまりおすすめしません。

なぜなら、応急修理キットはあくまで応急処置にすぎず、粘着性のある液体をタイヤの内側に流し込むことになるため、タイヤを交換しなければいけなくなるからです。

さらに、タイヤ交換時にもこれを剥がす手間が増えてしまうため、工賃が通常より高くなってしまいます。

また、パンクの状況によっては空気漏れが防げずに無駄になることもあります。(見分け方はこの後解説)

緊急性があり、やむを得ず使用する場合は仕方がないですが、そうでなければJAFや任意保険に付いているロードサービスを利用しましょう。

任意保険にロードサービスが付いていなけば、パンクや故障等で困った時のためにJAFに加入しておくことをおすすめします。

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パンク修理可能かどうか見分けるには?

パンクの状況によっては、修理可能なものと不可能なものがあります。

パンク修理が不可能な状態とは、

  • パンクした穴が大きすぎる(6mm以上が目安)
  • タイヤの側面に傷や釘などが刺さっている
  • パンクしている状態で長い距離を走行した
  • 複数箇所の穴が近距離にある
  • タイヤに盛り上がった箇所や変形がある
  • タイヤが劣化してひび割れを起こしている
  • タイヤの使用限度を超えている(スリップサイン)

などが該当します。

タイヤのひび割れがあっても修理してくれるところもあるかもしれませんが、バーストする危険性があるので交換したほうが良いでしょう。

また、上記以外にも過去にパンク修理をしているタイヤや、斜めに釘などが刺さっている場合、修理を断られる場合があります。

要するに、接地面に釘が刺さった程度のパンクであれば修理できますが、それ以外は修理できないと思ってください。

応急修理キットを使用する場合も基本的には同様で、側面の穴などには効果がありません。パンク修理可能であっても、交換時期がきているなら交換することをおすすめします。

タイヤの交換時期を見分ける方法は、下記の記事を参考にして下さい。

タイヤのパンク修理ができる場所

 

パンク修理は、ディーラーや修理工場はもちろん、タイヤ専門店やガソリンスタンド、カー用品店などでも修理ができます。

ただし、最近ではセルフのガソリンスタンドが増えているので、パンク修理ができないガソリンスタンドもあります。

また、24時間営業の店舗でも、夜間は修理を受け付けていないところも多いです。

色々なところにある便利なガソリンスタンドですが、利用する場合はパンク修理が可能かどうか確認してから行くことをおすすめします。

パンク修理にかかる費用

パンク修理にかかる費用は、外側からの修理なのか、内側からの修理なのかによっても少し違いますし、店舗によっても多少の差があります。

外面修理の場合は、タイヤを外さなくてもできる簡単な修理方法なので、2000円~4000円程度が相場となります。

内面修理の場合、タイヤを一度ホイールから剥がす手間があるため、4000円~7000円程度かかるでしょう。

外面修理は応急処置、内面修理を修理と位置づけていることもありますが、外面修理でもしっかり修理されていれば問題はありません。

実際、パンク修理と言えば一般的な方法は外面修理で、ディーラーなどでも行われます。

ただし、内面修理はタイヤの内側も確認できたり、大きめのパンクも修理できるなどのメリットがあるため、確実性の高い修理方法といえます。

タイヤのパンクを自分で修理する方法

カー用品店などで販売されている、タイヤのパンク修理キットを使えば、自分でも簡単にタイヤのパンク修理ができます。

今回は上記画像のようなタイプを使用したやり方をご紹介します。500~1500円程度で購入できるはずです。使用する商品によって若干変わりますが、やり方は基本的に同じです。

また、スペアタイヤへの交換方法も途中までは同じなので、やり方が分からないという方は参考にして下さい。

用意するもの

  • パンク修理キット
  • ジャッキ
  • 十字レンチ等
  • 輪留め
  • プライヤー(ペンチ)
  • ニッパー(はさみなどでも可)

基本的には車載工具で揃いますが、スペアタイヤが無い車の場合、ジャッキや車載工具すら無い場合があります。車の説明書を確認し、車載工具があるか事前に確認しておきましょう。

また、パンク修理をした後にはタイヤに空気を入れなくてはなりません。

自宅などで行う場合は、シガーライターからの電源で使用できるようなエアーコンプレッサーが必要です。

無い場合は、一度スペアタイヤに交換し、パンク修理が終わったタイヤにガソリンスタンドなどで空気を充填しましょう。

タイヤを車から外す

  1. まず、ホイールカバーが付いている車は外してナットが見えるようにします。
  2. 作業に入る前に、外すタイヤと対角線にあるタイヤに輪留めを設置して下さい。
  3. 準備が出来たら、外すタイヤのホイールナットを車が接地している状態で軽く緩めます。
  4. ナットを緩めたら、ジャッキでタイヤが少し浮くぐらいまで持ち上げます。(ジャッキアップポイントは各車の説明書で確認してください)
    ※ジャッキは必ず平らなコンクリートで使用しましょう。アスファルトは柔らかく、凸凹しているのでなるべく避けて下さい。
  5. ホイールナットを緩め、タイヤを外します。

パンク修理する

パンク修理キットは商品によって使い方が若干異なりますので、説明書を良く読んでから行ってください。

  1. まず、釘などの刺さっているものをプライヤー(ペンチ)で引き抜きます。パンクしている箇所が分からない場合は、タイヤに空気を入れ、石鹸水などをかけて探しましょう。
  2. 刺さっていた角度と同じ角度でリーマーというスクリュー状の工具にゴムのりをつけ、回転させながら奥まで挿入していきます。
  3. 修理剤にもゴムのりを塗布し、ニードルの穴に通します。
  4. タイヤからリーマーを抜き、修理剤が装着されたニードルを奥まで挿入します。
  5. ニードルの先は割れているので、そのまま引き抜けば修理剤だけがタイヤに残ります。
  6. タイヤからはみ出ている修理剤をはさみやニッパーで切ります。
  7. のりが固まるまで少し待ってからタイヤに空気をいれ、漏れなどがないか確認できたらパンク修理は完了です。

パンク修理したタイヤを車に装着する

後はタイヤを外した時と逆の手順で車に装着するだけです。

ナットを締める時は、対角線にあるナットを交互に締めていきます。1回で締めるのではなく、数回に分けて締めましょう。

ある程度締めたら車をジャッキから降ろし、ホイールナットをしっかり増し締めします。

ホイールナットを締める力は車によって決まっているので、不安な場合はガソリンスタンドやカーショップなどで確認して貰ってください。

確認が終わったらホイールカバーを装着して完了です。タイヤ交換については下記の記事でも詳しく解説しているので、参考にして下さい。

まとめ

いかがでしたか?車を所有していれば、タイヤのパンクは誰でも経験するような良くあるトラブルの1つです。

パンクした時も慌てず対処できるように、スペアタイヤへの交換手順やパンク修理の方法を一度確認しておきましょう。

また、自分ではできそうもないという方は、ロードサービスに加入することをおすすめします。

JAFなら年会費は4,000円程度ですし、加入していれば、パンクだけでなく、バッテリー上がりやその他の故障、事故の時などにも基本無料で対応してくれます。

任意保険に付いていることもあるので、自分の保険にロードサービスがついているかも一度確認しておきましょう。

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