手洗い洗車のやり方|初心者でもキレイに洗うコツや手順、道具や洗剤の選び方など!

洗車・コーティング
yasu

自動車整備士として車業界に15年以上携わり、修理の知識はもちろん車の売買からコーティングまで幅広い知識をいかして記事を執筆。国家資格の自動車整備士免許だけでなく、中古車査定士などの資格も取得しています。

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洗車は簡単そうに見えて奥が深く、ただ洗えばよいというものではありません。

何も考えずに手洗い洗車をしてしまうと、ボディーにイオンデポジットやウォータースポットなどと呼ばれる白い跡が残ってしまったり、細かい洗車傷がついてしまったりするので注意しましょう。

そこで今回は、仕事で洗車を10年以上してきたプロが初めて手洗い洗車に挑戦する方に向けてやり方やコツを解説します。

初心者の方にも分かりやすいように、必要な道具や洗剤選びから手順を追って説明していくので安心して下さい。

この記事を読み終わる頃には正しい洗車の仕方と知識が身につき、誰でもプロ並みの洗車ができるようになるはずです。

手洗い洗車に必要な道具

 

まず、手洗い洗車をするにあたって最低限用意しなければならない基本的な道具を紹介します。

自宅で洗うか洗車場で洗うかにもよりますが、少なくとも以下の洗車道具は事前に購入して揃えておきましょう。

  • 洗車用のスポンジ×2(ボディー用、下廻り用)
  • カーシャンプー(洗車用の洗剤)
  • 拭き上げ用のクロス×2(ボディー、下廻り用)
  • バケツ
  • ホース

洗車道具一式は、オートバックスやイエローハットなどのカー用品店はもちろん、ネットでも色々売っていると思います。

ホースだけでも良いですが、シャワーで流せるヘッドが付いているほうが洗いやすくておすすめです。

拭き上げのクロスは傷のつきにくいマイクロファイバークロスがおすすめで、汚れることもあるので多めに用意しておくと良いかもしれません。

また、カーシャンプーは無くても水洗いできますが、泡があったほうが汚れも落としやすく、傷もつきにくいのでできるだけ使用しましょう。

カーシャンプは事前に泡立ててから使用するので、そのためのバケツも必須アイテムの1つになります。

その他には、車高が高いSUVやミニバンタイプなどの車を洗車するなら脚立も必須となる洗車道具です。

カーシャンプー(洗車用洗剤)の選び方

カー用品店にいくと、カーシャンプー(洗車用洗剤)だけでもたくさんの種類があり、どれを選んだら良いかわかりませんよね?

結論から言えば、カーシャンプーは泡立ちが良く、泡切れの良いものがおすすめです。

カーシャンプーには、ワックスやコーディング剤が配合されたものや、コンパウンドが配合されているものなどもあります。

色々と配合されたシャンプーはコーティング車には使えなかったり、塗装を傷つけてしまうこともあるので、基本的には余計なものが配合されていない中性の洗剤を選びましょう。

コーティング施工車の場合でも、中性の洗剤なら特に問題なく使用できるはずですが、心配であればコーティング車用とかかれているもの選ぶと良いかもしれません。

ただし、施工直後などは使用できないこともあるので、コーティング施工業者に確認してください。

中性洗剤ならと食器用洗剤を使用して洗車する方もいるようですが、泡立ちや泡切れが悪く、汚れが落としにくかったり、シミになったりするリスクが高くなるので専用のカーシャンプーでの洗車をおすすめします。

知名度も高く、口コミでの人気の高いカーシャンプーを紹介しておきますので、迷ったらこちらを選びましょう。

全塗装色・コーティング車に対応したノーコンパウンドのカーシャンプー。泡立ちや泡切れも良く、多くのユーザーが愛用する人気商品です。

手洗い洗車のやり方

必要な道具が揃ったら、実際に洗車をしてみましょう。

今回は自宅で洗車する場合を例に手洗い洗車のやり方を手順を追って解説していきます。

洗車場の高圧洗浄機を使用するという場合でも洗い方は基本的に同じです。

機械の使い方などが分からない方は下記の記事に手順や注意点などをまとめてありますので参考にしてください。

カーシャンプーをバケツで泡立てておく

バケツにシャンプを泡立てる画像

まず最初に、カーシャンプーをバケツに入れて泡立てておきましょう。

希釈タイプなら適量の原液を入れ、勢いよく水をバケツにいれるだけで簡単に泡立ちます。

下廻り、ホイールを洗う

タイヤとホイールを洗浄している画像

すぐに水をかけてボディーから洗う人は多いですが、先にタイヤやホイール、下廻りについた砂や泥を水で流し、下回りから洗うのが正しい洗車の順序です。

下回りには砂や泥が多く、ボディーと一緒に洗うと傷がつきやすくなるので先に洗うことをおすすめします。

この順番は、洗車場の高圧洗浄機を使うときも同じなので覚えておきましょう。

暑い季節は洗っている最中にどんどん乾くので、1カ所ずつ洗ったら流すようにして下さい。

また、下回りを洗う時に使用したスポンジはボディー用と区別して分かるようにしておきます。

スポンジの色を変えたりすると次回使用する時にも分かりやすくて良いかもしれません。

ボディーの砂や埃を念入りに水で流す

ボディーの砂や埃を念入りに水で流している女性

下廻りの洗浄が終わったら、ボディーを洗う前に砂や埃を念入りに流しましょう。

洗車前に念入りに水を流せるというのが手洗いのメリットであり、適当に水を流すことは洗車傷がつく最大の原因です。

また、水を流すときはルーフから流し、次にボンネットやトランクといったように、高い場所から低い場所の順番に流していきます。

順番を逆にしてしまうと砂がボディーに残ってしまい、傷がつく原因になるので注意して下さい。

洗車後の泡を流すときも同じなので、洗車の基本として覚えておきましょう。

泡をたっぷりつけてボディーを洗う

たっぷりの泡で車を洗う女性

スポンジに泡立てておいたシャンプーをたっぷりつけてボディーを洗っていきます。

ボディーを洗う順番は、まず平面になっているボンネット、ルーフ、トランクから洗い、終わったら乾く前に一度流します。

後で再度水を流すので、この時はざっと流す感じで大丈夫です。

次に側面を洗っていきますが、同じように片側が終わったら流しましょう。

ボディーが乾いてしまうとイオンデポジットなどと言われるシミになりやすいので、できるだけ乾かないように洗う部分を分け、その都度洗い流していくのがコツです。

また、ボディーを洗う時はスポンジを一方向に直線的に動かしましょう。

円を描くようにスポンジを動かすよりも洗い残しが少なく、無駄な力もかからなくなるはずです。

泡が残らないように念入りに水を流す

泡を念入りに水で流す

ひと通り洗ったら再度全体を水で流しましょう。

泡が残らないように一番高いルーフから念入りに水を流していきます。

このとき、洗い残しがないか確認しながら水を流し、もし洗い残しを発見したら洗っておきます。

洗い残しがあると拭き上げ時に傷がつく原因になるので注意して下さい。

クロスで車を拭き上げる

クロスで車を拭き上げする画像

洗い残しや泡が残っていないことが確認できたら、クロスを使って車に残った水を拭き取っていきます。

クロスだけでも水を拭き取ることは可能ですが、吸水性の高いセームタオルが1枚あるとより早く拭き取りができて便利です。

表面が拭き取り終わったら、別のクロスでステップと呼ばれるドアの内側、ボンネットやトランクの内側の水もしっかり拭き取ります。

最後にタイヤやホイールを拭き取りすれば洗車は完了です。タイヤに艶を出したい方は、タイヤワックスなどで仕上げましょう。

油性のタイヤワックスはタイヤがテカテカになって凄く綺麗に見えるのですが、タイヤの劣化を早めてしまうので、タイヤワックスを使用するなら水性がおすすめです。

初心者でも自宅でキレイに洗車するためのコツ

手洗い洗車のやり方で解説した通りに洗えば失敗は少ないと思いますが、伝えきれなかった注意点やその他のコツをここで紹介します。

初心者でもキレイに洗うためのコツは以下の3つです。

  • 炎天下や直射日光は避ける
  • 念入りに水を流してから洗車する
  • 一気に洗おうとせず洗う部分を分ける
  • コーティングをかける

炎天下や直射日光は避ける

初心者の方に最も注意してほしいのが、洗車をする日の天候と環境です。

天気が良いと洗車をしたくなる気持ちは分かりますが、基本的に日差しの強い日中は洗車には不向きです。特に直射日光が当たるような場所は避けて下さい。

洗車をするときは、まだ気温の上がっていない朝や、日が沈んで気温も下がってくる夕方~夜がおすすめです。

なぜ日中の洗車がいけないかというと、ボディーが乾くまでの時間が短く、イオンデポジットやウォータースポットと呼ばれる白い跡ができやすいからです。

洗車に向いている天候を知らずに初心者の方が炎天下で洗車をすると、おそらく車が悲惨な状態になります。

特に黒などの濃色車は目立ちやすいので、絶対に炎天下や直射日光は避けて洗車しましょう。

また、強風の日も砂や埃がボディーにつきやすく、傷の原因になるので避けるようにして下さい。

念入りに水を流してから洗車する

洗車手順の中でも解説したことですが、手洗い洗車で最も重要なことは念入りに水を流してから洗車することです。

洗車傷がついてしまう原因は、車に砂や泥が残っている状態で洗い始め、それを引きずってしまうことにあります。

ですから、洗車傷を防ぐためにも洗車前は念入りに水を流しましょう。

汚れがひどい時は、自宅のホースだけでは流しきれないこともあるかもしれません。

その場合は洗車場の高圧洗浄機を使用することをおすすめします。

ケルヒャーなどの家庭で使用できる高圧洗浄機もあるので、これから本格的に洗車を始めるという方であれば購入を検討しても良いでしょう。

一気に洗おうとせず洗う部分を分ける

手洗い洗車のやり方でも解説しましたが、初心者の方は一気に広い部分を洗うのではなく、洗う部分を分けてその都度流しましょう。

分けて洗う理由も天候と同じで、洗車中にボディーが乾くことを防ぐためです。

また、その都度流すことで洗い残しなども発見しやすくなります。

洗っていない部分も含めて、乾いてしまいそうなところがないか常に注意し、水をかけながら洗車をしていれば失敗することは殆どありません。

ボディーが乾きやすい暑い季節や、日中に洗車しなければいけないときは、常に水を流しながら洗うくらいの意識で洗車をしましょう。

コーティングをかける

コーティングをかけると汚れが落としやすくなり、余計な力をかけることなく洗車できます。

塗装の劣化や細かい傷をもつきにくくなるので、初心者の方に限らずコーティングはおすすめです。

コーティングといっても数万円かけて専門店に依頼する必要はありません。

市販のコーティング剤で十分ですから、洗車のついでにかけておきましょう。

ちなみに、ックスは逆に車が汚れやすくなり、耐久性も低いので、こまめに手入れができる方や、ワックス独特の艶にこだわりがあるという方以外は基本的におすすめしません。

初心者でも施工がしやすいコーティングを選び、定期的にメンテナンスしましょう。

おすすめのコーティング剤を紹介しておくので、興味のある方はチェックしてみてください。

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洗車の頻度はどれくらいがおすすめ?

最後に、洗車をする頻度についてですが、市場調査を行うGfKのアンケート調査によれば、1ヶ月に1回、3ヶ月に1回という回答が多いようです。

とはいえ、これはあくまでこのくらいの頻度で洗車する人が多いという目安であり、理想の頻度というわけではありません。

洗車の頻度は屋外駐車か屋内駐車といった車の保管場所にもよりますし、雪国や海沿いなどの住んでいる環境によっても違うでしょう。

また、ボディーの色によっても汚れの目立ち方は違うため、汚れが目立ちやすい白や黒の車とシルバーの車とでは洗車の頻度も違います。

黒などの濃色車は傷が目立ちやすいので、頑固な汚れになる前にさっと落とせる2~3週間程度の頻度で洗車するのがおすすめです。

白い車は傷は目立ちにくいですが、水垢が目立ちやすいので、1ヶ月に1回程度を目安に洗車したほうが良いでしょう。

これ以外にも、花粉の季節は洗車頻度を多くしたほうが良いですし、鳥の糞や虫の死骸がついたときは早めに洗車することをおすすめします。

無理に自分で洗車しなくても、ガソリンスタンドなどの洗車サービスを上手く活用し、車をメンテナンスしていきましょう。

まとめ

手洗い洗車をするときに注意しなければならないことは色々ありますが、初心者の方はとにかく車を乾かさないことに注意しましょう。

そのためにも洗車をするのに適した天候や気温、環境を選んで洗車することをおすすめします。

注意点さえわかれば、初めてでも難しいことは殆どなく、簡単に洗車ができるはずです。

もし失敗してしまったとしても、コンパウンドなどを使用すればピカピカになるので安心してくださいね。

また、自宅での手洗い洗車になれてくると、ボディーやガラスのコーティングにも挑戦したくなってくると思います。

カー用品店にはたくさんの種類が並んでいるので、どれを選んだらよいか分からない方も多いです。

おすすめのコーティング剤などに関しては下記の記事でもまとめてありますので、興味のある方は併せて参考にしてみて下さい。