中古車オークションは個人で参加できる?参加資格が厳しすぎ!

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yasu

自動車整備士として車業界に15年以上携わり、修理の知識はもちろん車の売買からコーティングまで幅広い知識をいかして記事を執筆。国家資格の自動車整備士免許だけでなく、中古車査定士などの資格も取得しています。

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中古車はそのお店で買い取った車だけを並べているわけではありません。殆どの場合、オートオークションによって仕入れた車が展示されています。

オートオークションの存在は一般の方でも御存知だと思いますが、このオークションは個人でも参加できるのでしょうか?

もし参加できれば、余計な費用が上乗せされることもなく、中古車店などより車を安く購入できますよね。

しかし、結論から言えば、業者が利用しているオートオークションに一般ユーザーが直接参加することはほぼ不可能です。

但し、オークション代行業者に依頼すれば、間接的に参加することができ、通常より安く車を購入することができます。

ここでは、

  • オートオークションに個人が参加できないのはなぜか?
  • 代行業者を利用するメリット、デメリット
  • その他の中古車をお得に購入する方法

などについてご紹介します。

中古車のオークションに個人が参加できないのはなぜ?

オートオークションは会員制で入会には条件がある

業者が利用しているオートオークションは、会員制のオークション会場です。

入会には審査があり、申込にあたって入会条件も定められています。オートオークションの入会条件は、オークションを運営する会社ごとに若干の違いはあります。

しかし、最低限必要な条件として、

  • 古物商許可証を取得している
  • 営業中の展示場や整備工場を保有している
  • 入会金や補償金、連帯保証人を用意できる

という条件をクリアする必要があります。

中古車は古物営業法に規定されているので、古物商許可証は必ず必要になります。さらに、取得から数年間経過しているといった条件付の場合も多いです。

一般ユーザーの参加は現実的ではない

オートオークションの会員は法人でも個人事業主でもなることは可能です。

しかし、自動車関連の事業をやるつもりのない一般ユーザーが、展示場や整備工場などを保有するというのは難しいでしょう。

実際に営業している必要があるので、ただ土地を持っているというだけでは会員にはなれません。

事務所や看板などをつくるだけでも大きな費用がかかるので、個人が車を購入するためだけに用意するというのは現実的ではないですよね。

つまり、実質的に一般ユーザーである個人がオートオークションに参加することはできないということになります。

オークション代行業者に依頼すれば間接的に参加は可能

一般のユーザーがオートオークションに直接参加するのは難しいですが、オークション代行業者に依頼すれば、間接的に参加することができます。

オークション代行業者とは、一般のユーザーに代わってオークションの出品、落札を行い、中古車を売買する業者です。

もちろん手数料はかかりますが、手数料も比較的安く設定されているので、中古車を安く購入することができます。

オークション代行業者を利用するメリット

中古車を安く購入できる

オークション代行業者を利用するメリットは、どのようなものがあるのでしょうか?まず、メリットは車を安く購入できることです。

オークション代行業者は、その名の通りオークション代行を主な業務としているため、手数料が収益源となります。

基本的には落札した中古車は現状渡しとなるので、手数料以外に余計な費用はかかりません。

また、オークション代行業者は、中古車店とは違い、注文があってからオークションに参加するので、仕入れの必要がありません。

大きな展示場を構える必要もなく、人件費などのコストも最小限で運営できるため、手数料自体も比較的安いのが特徴です。

ただし、中古車は故障も多いので、現状渡しが基本であるオークション代行での購入は、それなりのリスクがあるということは理解しておきましょう。

状態の良い未公開車が見つかる可能性もある!

今では中古車もインターネットを使えば全国から検索できる時代です。状態の良い車は、公開してからすぐに売れてしまうことも多いでしょう。

オートオークションには、買い取った車がすぐに出品されることも多いため、一般ユーザーより一足先に購入するチャンスがあるということでもあります。

入札が多くなり、落札価格は高くなってしまうことは予想されますが、なかなか見つからない状態の良い中古車が見つかる可能性はあるでしょう。

オークション代行業者を利用するデメリット

自分の目で現車確認ができない

オークション代行業者を利用することは、メリットだけではなく、デメリットも多くあります。

まず、現車を自分の目で確認できないことです。出品票や写真などのデータはみていても、現車をみたらちょっとイメージと違ったということはあるでしょう。

中古車は基本的に返品はできないので、落札してしまったらその車を乗るしかありません。

また、出品票はプロの査定士が見た上で記入されていますが、中には漏れや間違いがある場合もあります。

落札する前に下見に行っていれば気付くことはできますが、オークション会場は全国各地にあり、遠方のオークションに参加する場合は下見に行くのが難しくなります。

最近ではテレビやインターネットを通じてオークションに参加できるようになり、オークション会場が下見代行サービスを行っています。

費用は1台あたり1,000円~2,000円程度かかりますが、できれば利用した方が良いでしょう。

但し、実際に車を走行させることはできないので、下見をしたとしても分からないことがある点には注意が必要です。

納車前の点検や整備などが行われない

オークション代行の多くは最小限の人員と設備で運営されているため、落札した中古車を現状渡しで納車するケースが多いです。中には名義変更も自分で行わなければならないこともあるでしょう。

オークションから落札した車の名義変更は期限があり、速やかに行う必要があります。

余計な費用がかからないところがオークション代行のメリットではありますが、これらを別の業者に依頼する場合、メリットが小さくなります。

オートオークションに出品されている中古車は、外装や内装などはキレイにしてあっても、しっかり整備されている車は殆どありません。

査定に関わる不調を修理することはあっても、これから売却する車をわざわざ整備する必要性がないからです。

落札した車によっては、整備に大きな費用がかかる可能性もあるので、その点には注意しましょう。規模の大きなオークション代行業者では、故障に対して保証を付けられるところもあります。

どんな保証を付けるかによって金額は変わりますが、走行距離が多い車や年式の古い車の場合は、多少費用がかかっても保証を付けた方が良いかもしれませんね。

保証の重要性についてはこちらを参考にして下さい。

信頼できる業者を慎重に選ぶ必要がある

オークション代行業者は、中古車販売店とは違って開業の敷居が低く、比較的簡単に始められます。

依頼が無い限りは仕入れをしないので、経験が浅く、相場も良く分からないという方が運営していたりする場合もあるため、信頼できる業者を選ばなくてはなりません。

中には、落札価格を誤魔化して利益を得るなどの悪徳な業者も少なからず存在します。

特にネットのみで完結する代行業者を選ぶ際には、運営元の情報や利用者の口コミ、落札価格の開示があるかなど、総合的に見て慎重に判断して下さい。

このように、オークション代行業者を利用して車を購入することは、デメリットも多いです。高い買い物を失敗したくない方は、中古車販売店から購入した方が良いでしょう。

中古車販売店で購入する場合は、諸費用の内訳や相場を知っておくと値引き交渉しやすくなると思います。

代行業者を利用すればオークションに出品もできる?

オークション代行業者に依頼すれば、出品して車を売却することも可能です。上手くいけば買取店などより高く売れることもありますが、売却時の利用はあまりおすすめできません。

その理由としては、オートオークションには出品料がかかるため、売れなかった場合でも費用が発生してしまうからです。

オークションには毎週たくさんの中古車が出品されるので、希望価格まで値が上がらずに売れ残ることも多々あります。

また、出品する車の状態から落札される相場を予め把握しておく必要もあります。もしくは、それができる優秀な代行業者を見極めて依頼するかですね。

もし出品してみたいというのであれば、事前に買取査定を受けておくことは必須です。

売れなかった時のリスクを理解し、『少しでも高く売れたらラッキー!』くらいの気持ちで試しに利用するのが良いと思いますよ。

オートオークションに出品しなくても、最近ではユーカーパックのようにオークション形式で買取査定ができるサービスもあります。

出品時のリスクも無いので、少しでも高く売りたいという方は試してみてはいかがでしょうか?

個人売買のアプリなどはどうなの?

最近では、中古車を売りたい人と買いたいを直接繋げるサービスも増えてきました。

フリマアプリなども流行しているため、車でもこのようなサービスを利用しようと考える方はいるかもしれません。

しかし、車の個人売買は絶対におすすめしません。

その理由は色々ありますが、大きな理由としては、

  • まだまだ利用者が少なく、売り手と買い手のニーズがマッチしていない
  • 売買成立後のトラブルが非常に多い

という2つがあります。

利用者が少なく、売り手と買い手のニーズがマッチしない

オートオークションには、多くの車が出品され、入札も多く、市場は活発です。

一方、車のような高額商品を個人売買で購入、又は売却するのは怖いと考える方も多く、利用者はまだまだ少ないのが現状です。

そんな状況で買い手側が積極的に購入するケースは少なく、掘り出し物があったらラッキーくらいの感覚で利用しているのが殆どだと思います。

これでは、売り手の希望する価格で売却できるケースは少なく、時間と労力を無駄にしてしまうことも多いはずです。

売買成立後のトラブルが非常に多い

オートオークションとは違い、基本的に素人が利用する個人売買は、トラブルが非常に多くなっています。車は他のものとは違い、売った後にも名義変更が必要になります。

登録に必要な書類がなかなか揃わなかったり、名義変更がスムーズに行われないトラブルも多いです。

また、中古車は売買成立直後は問題なくてもその後に突然故障したりする場合もあります。

プロ同士の売買であれば、その点には理解がありますが、素人の方にその理解がある方は少ないでしょう。

事実、車検や整備後に関連性のない別の箇所が故障した場合でも、殆どクレームになるのが車というものです。

クレームを受ける側がプロなら説明して理解してもらうことはできますが、売る側も知識が無い場合にその対応ができるでしょうか?

高額な車という商品であるからこそ、こういったクレームはトラブルになることが多いです。

その他の中古車をお得に購入する方法

中古車をお得に購入するためには、とにかくより多くの選択肢を持つことが重要です。

そのためには、公開車両と呼ばれている中古車情報サイトなどに登録されていない車も候補に入れる必要があります。

そんな車があるのか?と思うかもしれませんが、実は掲載されていない車の方が多いのです。

その理由は、掲載にもお金がかかるから。殆どの中古車店ではある程度の枠を確保し、その枠分の車しか掲載していません。

それ以外の車は、実際にその店舗に行かなければ分かりませんが、行ける店舗には限りがあります。非公開車両の中に掘り出し物や、自分が探していた条件の車が埋もれている可能性は十分あるはずです。

その非公開車両の中から自分の探している条件に合った車を探してくれるのが、ズバット車販売というサービス。

自分で探すのが面倒という方や、なかなかいい車が見つからないという方には特におすすめです!もちろん利用は無料でできますよ♪

非公開車両についてもっと詳しく知りたい方はこちらも参考にしてください。

まとめ

オートオークションは、一般のユーザーが直接参加することはできません。

代行業者を利用して間接的に参加する方法はありますが、業者の見極めや相場観などについて利用する側にも専門的な知識がある程度必要になります。

メリットもありますが、デメリットも多いということは理解して利用しましょう。中古車は1台毎に状態が違うため、自分の目で見て気に入った車を購入するというのが一番確実で安心です。

いくら安く購入できたとしても、その後の修理費用が高くなってしまえば意味がありません。

価格も大事ですが、良い中古車販売店を見つけて、長く乗れる状態の良い車を購入するのが良いのではないかと私は思います。