車サブスクのメリット・デメリット|定額制はいろいろコミコミで楽だけどやっぱり損?

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yasu

自動車整備士として車業界に15年以上携わり、修理の知識はもちろん車の売買からコーティングまで幅広い知識をいかして記事を執筆。国家資格の自動車整備士免許だけでなく、中古車査定士などの資格も取得しています。

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車のサブスク(カーリース)は近年利用者が増えています。車を所有するメリットよりデメリットを強く感じる人も多く、今の時代にあったサービスといえるのかもしれません。

しかし、車のサブスクにはメリットだけでなくデメリットも多くあるので、仕組みをよく理解してから利用しないと損をしてしまいます。

全ての人におすすめできるサービスではないため、購入するほうが良いのかサブスクを利用するほうが良いのか見極めて選びましょう。

ここでは、車のサブスクに対する正しい知識を身に着けるために、メリットやデメリットをまとめました。これから車サブスクの利用を検討している人は参考にして下さい。

車サブスクのデメリット

車サブスクは定額料金で車に乗れる魅力的なサービスですが、デメリットがないのか気になっている人も多いでしょう。

車を購入する場合と違って、車サブスクには以下のようなデメリットがあります。

  • 走行距離制限がある
  • 契約満了時に精算金が発生することもある
  • カスタマイズやドレスアップが自由にできない
  • 契約の途中で解約したり変更することができない

走行距離制限がある

車サブスクは基本的に走行距離の制限があるため、自由に車を乗れるわけではありません。(残価0円や車が貰えるプランを除く)

サービスやプランによっても設定された走行距離は違いますが、月間1,000~1,500km程度が一般的です。

もし、設定されている走行距離制限を超えてしまった場合、1kmあたりいくらという形で契約満了時に精算します。

車の走行距離は1年に1万km程度が平均と言われているため、殆どの人は問題ないかもしれませんが、多く乗る人は注意して利用しましょう。

契約満了時に精算金が発生することもある

車のサブスクは契約満了時に追加で精算金を支払わなければならない場合があります。

例えば、先に挙げた走行距離制限をオーバーした場合や、『何らかの理由』によって契約満了時の車の価値が予め設定された残価に満たない場合です。

何らかの理由というのは、事故や故障などの直接的な原因だけではなく、中古車市場の相場が下落したなどの自分に責任がないことも含まれるので注意しましょう。

特に残価を任意で上下できるオープンエンド契約の場合は、高すぎる残価を設定しないように注意してください。

契約時に残価が公開されていないクローズエンド契約の場合、基本的に残価との差額を利用者が精算する必要はありません。

オープンエンド契約とクローズエンド契約はどちらが良いというわけではなく、どちらにもメリットとデメリットがあります。詳しくは下記の記事でも解説しているので参考にして下さい。

カスタマイズやドレスアップが自由にできない

自分の車を所有しているかのように利用できる車のサブスクですが、車の所有者はサブスクサービスの会社やリース会社です。

車のサブスクは基本的に返却を前提としているため、契約満了時には現状回復義務があり、できる限り元の状態に戻さなければなりません。

カスタマイズやドレスアップ自体は認めている場合も多いですが、実際にはいつでも簡単に戻せるようなカスタムしかできないというデメリットがあります。

ただし、残価を0円に設定していたり、契約満了時に車が貰えるプランなどの場合、車の返却を前提としていないので、カスタマイズやドレスアップも自由です。

特にカスタムなどの予定がないなら気にする必要はありませんが、車好きやこだわりのカスタムがしたい人は上記のようなプランを選びましょう。

契約の途中で解約したり変更することができない

車のサブスクは基本的に中途解約や契約内容の変更ができないというデメリットがあります。

もしやむを得ない事情で中途解約をする場合、高額な違約金や解約金といった手数料が発生する場合があるので注意しましょう。

ちなみに、契約期間中に事故で車が全損となった場合も強制解約となるため、同じように手数料を払わなければなりません。

これだけ聞くと、車のサブスクはとてもリスクが高いサービスに感じてしまうかもしれませんが、車両保険に加入していれば保険金で解約手数料の殆どは賄えるので安心してください。

しかし、逆をいえば車両保険に加入していなければリスクが高いサービスとも言えるので、車のサブスクを利用する際は必ず車両保険付きの自動車保険に加入しましょう。

車サブスクのメリット

車サブスクにはメリットも多くあります。

  • 頭金がなくても月々の料金を安く抑えられる
  • 車の維持費をまとめて月々定額にできる
  • 車の乗り換えや売却の手続きが簡単になる
  • 店舗にいかなくても契約できる

車を購入するより手軽に利用できるというのが車サブスクの魅力です。

頭金がなくても月々の料金を安く抑えられる

車のサブスクは頭金不要で契約することができ、月々の利用料金もローンで購入するより安く抑えられる場合が多いです。

車のサブスクが月額料金を安くできる理由は、あらかじめ契約満了時の残価(下取り価格)を設定し、車両価格から差し引いているから。

例えば、300万円の車を5年で契約し、5年後の残価を100万円とした場合、車のサブスクでは残りの200万円を5年間で支払います。

仮に同じ車を頭金なしのローンで購入した場合、5年間で300万円を支払うわけですから車のサブスクが安くなる理由もわかりやすいでしょう。

このように、車サブスクは頭金を用意できなくても残価を疑似的な頭金として利用できるというメリットがあります。

車の維持費をまとめて月々定額にできる

車のサブスクには、月額料金に自動車税や車検代、日頃のメンテナンス費用などを組み込むことができます。

中には自動車保険料(任意保険)まで料金に組み込むことができるサービスもあり、そこまでいくとその他にかかる車の維持費といえばガソリン代と駐車場代くらいです。

仮に1500ccクラスの普通車を購入した場合、毎年39,500円の自動車税がかかるだけでなく、2年毎には8~10万円程度の車検代がかかります。

ローンで購入するなら月々の支払いをしつつ、これらの資金を別途用意しなければなりません。突然の故障などがあればさらに家計の大きな負担となるでしょう。

このように、車は購入費用も高額ですが、購入した後も何かとお金がかかります。

車のサブスクでは急な出費に対する心配をしなくてもよくなるため、車の維持費の管理や家計の予算をたてやすいといったメリットがあります。

車の乗り換えや売却の手続きが簡単になる

車のサブスクでは基本的に契約期間が終われば車を返却します。元々車の所有者はリース会社になっているため、契約満了時の手続きは比較的簡単です。

また、利用するサービスによっては再リースや乗り換え、買い取りを選ぶこともできます。

乗り換えや買い取りの場合は名義変更の手続きが必要になりますが、いずれも手続きは業者が代行してくれるので手間は殆どかからないでしょう。

車の売却は業者との交渉や駆け引きが必要になることも多く、面倒に感じる人も多いと思います。そういった人は面倒な手間がかからない車のサブスクにメリットを感じられるはずです。

店舗にいかなくても契約できる

車のサブスクは店舗をもたないサービスもあるくらいで、契約は基本的にオンラインや書類を郵送することで完結します。

納車も自宅でできるサービスが多く、一度も店舗に足を運ぶことなく新車や中古車に乗れるというのが車サブスクのメリットです。

利用するサブスクにもよりますが、メーカー問わず様々な車種を取り扱っているサービスも多くあります。

もちろんチャットやメール、電話によるサポートも充実しているので、わからないことがあっても気軽にきくことができるので安心です。

車の購入とサブスクはどっちがお得?

車の購入とサブスクは結局どっちがお得なのか知りたい人も多いと思いますが、一般的にはサブスクやカーリースを利用するより購入したほうがお得といえるでしょう。

なぜなら、サブスクやカーリースでは購入時の値引き交渉ができないことが殆どで、基本的に残価も低めに設定されているからです。

つまり、車だけを見た場合、高く買って安く売ることになるということ。購入時の値引き交渉や買取店を比較して高く売る手間を惜しまない人には損と言えます。

しかし、逆をいえば購入時の値引き交渉が苦手だったり、売るときもディーラー任せの下取りに出すような人なら殆ど変わりません。

また、車のサブスクやカーリースは、残価がある分ローンより金利手数料が安いといわれますが、その代わりに税金や車検代などの費用も含まれるのでそこまで大きな差はないでしょう。

ただし、残価を0円に設定する場合はサブスクやカーリースの金利に対するメリットがなくなるため、基本的にはローンで購入したほうがお得です。

殆ど乗らない車に乗らない人は損をする可能性が高い

車のサブスクやカーリースでは走行距離の制限があり、それによって残価が設定されています。

走行距離をオーバーすると追加費用が発生しますが、少ないからといってその分返金してくれるサービスは殆どないので、車にあまり乗らない人は損をする可能性が高いでしょう。

車に殆ど乗らないのに購入するのは一見無駄にみえますが、車は基本的に走行距離が少ないほど高く売れるため、サブスクを利用するより結果的に安くなるはずです。

このように、車のサブスクやカーリースは利用する人によっては得をする場合もあれば、損をする場合もあります。

どちらが得かは総額を比較したりシミュレーションしてみないとわからないので、ぜひ一度ご自身でやってみてください。

下記の記事ではトヨタのサブスク『KINTO』とローン購入時を比較してシミュレーションしていますので、よろしければ参考にしてください。

まとめ

車のサブスクは月々の支払いを低く抑えて急な出費の心配がないことがメリットですが、所有しないことによる制限がデメリットに感じる場合もあるでしょう。

契約方法によっては残価との差額を精算しなければならない場合もあるため、車サブスクを利用する際はよく理解した上で利用することをおすすめします。

また、サブスクやカーリースは損をするとよく言われますが、人によって車に対する価値観は違いますし、一概に利用者全員が損とはいえません。

車のサブスクリプションサービスは多くありますし、それぞれ魅力的なプランや特徴があったりします。是非いろいろなサービスを比較しながら検討してみてください。