車のガラスコーティングはプロに施工してもらうと安くても数万円、高いと10万円を超えてしまう場合もあるため、DIYに挑戦してみたいと考える人は多いと思います。
しかし、ガラスコーティングの料金が高いのは施工が難しいからです。
やってみたい気持ちとは裏腹に、自分でやると失敗してしまうのではないかと躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、車のガラスコーティングをDIYで施工する方法や注意点をご紹介します。
実際にやってみる前に具体的な施工方法をイメージしておくことで、自分でもできるか判断することができるでしょう。
また、万が一失敗してしまったときの対処法も併せて解説するので、初めての方でも安心して挑戦してみて下さいね。
ガラスコーティング剤の種類
まず初めに、ガラスコーティング剤には2種類あるというのは御存知でしょうか?御存知の方はこの部分を飛ばしていただいて構いません。
念のため解説しておくと、ガラスコーティング剤には
- 完全硬化型のガラスコーティング
- 硬化しないガラス系コーティング
の2種類があります。
名前こそ似ていますが、この2つのコーティングは全くの別物で、コーティングの持続性(耐久性)に大きな違いがあります。
完全硬化するガラスコーティングは一般的に3年程度はコーティング被膜が持続しますが、ガラス系コーティングは硬化しないため、数カ月程度しかコーティング被膜が持続しません。
今回はDIYでプロが施工するガラスコーティングと同じものを家でというのがテーマなので、ここからはガラスコーティング=硬化型のガラスコーティングとして解説します。
そもそもガラス系コーティングであれば施工は簡単で、ワックスがけと殆ど変わらない感覚で施工できるので、初心者でも大きな失敗することはまずないでしょう。
ガラスコーティング剤の見分け方
ちなみに、使用する予定、または購入する予定のガラスコーティング剤がどちらか判断できない場合、コーティングの持続性(耐久性)を見れば簡単に判別できます。
また、完全硬化するガラスコーティング剤は空気に触れると硬化してしまうので、噴射口がつまってしまうプラスチック製のスプレー容器が使われることはないでしょう。
基本的には密閉できるガラス製のビンなどを使用しているはずです。
つまり、カー用品店などで販売されているガラスコーティング剤は、殆どがガラス系コーティングになります。
プロ仕様の硬化型ガラスコーティング剤は施工が難しいということもあり、通販で購入するのが一般的です。
これから購入する方は自分がどちらのコーティング剤を求めているか把握し、間違えないように注意して下さい。
DIYでガラスコーティングを施工する理想の環境
ガラスコーティングを家でかける場合、施工する環境は失敗しないための重要なポイントです。
ガラスコーティングを施工する理想的な環境は、
- 屋根つきで直射日光が当たらない場所
- 照明などが設置されていて明るい場所
- 風がなく気温や湿度が一定の場所
- ポリッシャーなどの電源を確保できる場所
という条件を満たす場所です。
ただし、自宅でガラスコーティング施工する場合、この条件を全て満たすのはかなり難しいでしょう。
ですから、最低限の施工環境として直射日光を避け、明るい時間帯にガラスコーティングを施工します。暗いと塗りムラができやすくなる原因となるので注意して下さい。
さらに、ポリッシャーなどを使用するので、ドラムリールや延長コードなどで電源は確保しましょう。
電源を確保できない場合は充電式のポリッシャーでも良いですが、おそらく1台分磨けないので施工する場所を複数回に分ける必要がでてくるかもしれません。
また、ガラスコーティングの施工は使用する溶剤にもよりますが、基本的には完全に乾いた状態で施工するのが一般的です。
洗車後は残った水分を良く乾燥させる必要があり、施工後に硬化するまで12時間程度は水に濡れるのを避ける必要があります。
外で施工するなら天気の悪い日は避け、少なくとも当日は雨の心配がない日を選びましょう。
DIYでガラスコーティングを施工するために必要な道具
DIYでガラスコーティングを施工するためには、最低限以下のものを用意しましょう。
- 洗車道具一式
(スポンジやシャンプー、バケツなど) - 必要に応じた下地処理用品
(鉄粉除去剤や粘土、コンパウンドなど) - ガラスコーティング剤
- ガラスコーティングを塗るスポンジ
- マイクロファイバータオル
(コーティング用に別途用意)
誤解している方も多いですが、ガラスコーティングをかけたからといって車がピカピカになるわけではありません。
ガラスコーティングはあくまで塗装面を守るための被膜を形成するだけであり、汚れた状態で施工をすればそのままの状態で被膜ができるだけです。
プロにガラスコーティングを依頼すると車がピカピカになるのは、コーティング施工前の磨きによって下地処理がしっかりと行われているからです。
つまり、プロのようなガラスコーティングをDIYで施工する場合に最も重要な工程は下地処理ということになります。
水垢やイオンデポジット(ウォータースポット)はコンパウンドで磨けば殆どの場合キレイになるので、鉄粉落とし⇒コンパウンドでの磨きという流れが下地処理の一般的な方法です。
磨きは手でもできますが、車全体を行うことになるのでポリッシャーがあると便利です。ポリッシャーの使い方は下記の記事を参考にして下さい。
DIYでガラスコーティングを施工する方法と手順
ガラスコーティングを施工する流れは、洗車⇒下地処理⇒洗車⇒コーティングという順序でおこないます。この手順はDIYでもプロの施工でも基本的にかわりません。
それぞれのパートで気を付けるポイントや具体的な手順を解説します。
洗車の手順は今回省きますが、下記の記事で解説してあるので興味のある方は参考にして下さい。
下地処理の手順と注意点
DIYでガラスコーティングをおこなう場合、成功のカギを握るのはこの下地処理です。
下地処理をおこなわなくてもガラスコーティングの施工はできますが、ワックスや既にコーティングをかけている場合は必ず下地処理が必要です。
下地処理のやり方ですが、洗車が終わったら鉄粉除去剤や粘土を使用し、ボディーのざらつきをとります。
鉄粉除去剤では落としきれない場合もあるので、ボディーがザラザラするくらい鉄粉がついている場合は粘土を使用すると良いでしょう。
粘土は傷がつくから使用を躊躇う方もいるかもしれませんが、コンパウンドで磨くと細かい傷は消えるので安心して下さい。
洗車や鉄粉の除去が終わったら、一度拭き上げをしてボディーが乾かし、コンパウンドを使用して車を全体的に磨きます。
通常の洗車では落とすことのできない細かい傷や水垢、イオンデポジットなどもコンパウンドを使用すれば綺麗に落とせるはずです。
磨きが終わったらコンパウンドがボディーに残っているので、再度洗車をして下さい。
コンパウンドの使用に慣れていない方は、磨き過ぎて下地がでないように注意しましょう。コンパウンドの正しい使い方は下記の記事を参考にして下さい。
新車の場合は下地処理が不要?
細かいことをいえば新車にも多少の鉄粉などが付着しているため、プロのコーティング専門店などでは新車でも下地処理をおこなうところはあります。
しかし、ガラスコーティングを施工する目的は、新車時の輝きを維持するためという方が殆どではないでしょうか?
目的が新車の状態を保つことであれば、わざわざ下地処理をしなくても問題はありません。ですから、事前に用意する道具も洗車に必要なものとコーティングに必要なものだけで済むでしょう。
下地処理が不要ということで、新車時であればガラスコーティングをDIYで施工する難易度は大幅に下がります。
新車にDIYでガラスコーティングをするのは怖いと感じる方も多いかもしれませんが、実は最もおすすめのタイミングなので、DIY初心者の方こそ新車時に挑戦してみて下さい。
ガラスコーティング施工時の手順と注意点
使用するガラスコーティングによっても施工方法は若干変わってきますが、一般的にはスポンジにガラスコーティング剤を付けて塗り込むだけです。
必ずガラスコーティング剤には施工方法の説明書が入っているはずなので、説明書をよく読んでから正しい方法で施工しましょう。
基本的にガラスコーティングを施工する際には、一度にコーティング剤を塗る範囲を広くしすぎず、少しずつ仕上げていくのが塗りムラや拭き残しを防ぐためのコツです。
ワックスやその他のコーティング剤なら拭き残しがあっても再度拭き取ることはできますが、ガラスコーティングはそのままの状態で完全硬化します。
完全硬化したガラスコーティングを落とすのは大変で、コンパウンドを使用して研磨しなければなりません。
ですから、ガラスコーティング施工するときはいつも以上に拭き残しなどが無いか念入りにチェックしましょう。
また、ガラスコーティングは施工してから時間をかけて完全硬化していきますが、天候や気温で完全硬化までの時間は変わります。
完全硬化するまでの期間は洗車機での洗車が禁止されていたりするので注意して下さい。
DIYでガラスコーティングの施工に失敗した時の対処法
DIYでガラスコーティングを施工するのは比較的難易度も高く、失敗も多くなるでしょう。失敗といっても色々なケースが考えられます。
例えば、
- 鉄粉の除去しきれずボディーがザラついてしまった
- 水垢やイオンデポジットなどの汚れが残ってしまった
- コンパウンドの磨き傷が目立つ
- ポリッシャーが暴れて傷をつけてしまった
- 拭きムラができてしまった
- コーティングを塗る時に水がついて白く濁ってしまった
- ガラスコーティングが硬化する前に雨が降ってきた
など、考えられるケースは多くあります。
基本的にガラスコーティングは塗り終わってから硬化するまで一定の時間がかかります。
硬化する前に拭きムラなどに気付いた場合はその場で対処できますが、硬化した後に気付くとコンパウンドで一度ガラスコーティングを削って剥がすしかありません。
ですから、拭きムラが改善しない場合は、コンパウンドで一度コーティングを落としてからもう一度コーティングをかけましょう。
また、ポリッシャーの使用中にコンパウンドでは消えない傷をつけてしまったという場合や、磨き過ぎて下地が出てしまった場合はDIYでの修復は難しく、鈑金塗装が必要になります。
大きな失敗をしないためにも、コンパウンドやポリッシャーの使い方は事前に練習したりして理解しておきましょう。
DIYにおすすめの硬化型ガラスコーティング剤
最後に、DIYにおすすめのガラスコーティング剤をいくつかご紹介します。
今回ご紹介するのは完全硬化型の本格的なガラスコーティング剤で、口コミでの評価が高く、施工が簡単なガラスコーティング剤を厳選しました。
簡易的なガラスコーティング剤をお探しの方は、下記の記事を参考にして下さい。
ピカピカレインプレミアム
ピカピカレインプレミアムは、楽天のカー用品部門で1位を獲得するほど人気のガラスコーティング剤です。
ピカピカレインプレミアムは、独自の特許製法で常温での完全硬化を実現し、3年という持続性の高いコーティング被膜を形成します。
DIY向きの簡単施工も口コミで評判がよく、3000件を超えるレビューがあるにも関わらず、高い評価を保っているガラスコーティング剤です。
17年間という販売実績が製品の品質が高いことを証明しており、ガラスコーティング剤選びで迷ったらピカピカレインプレミアムをおすすめします。
リボルトプロ
リボルトプロは実際にコーティング専門店でも使用されているガラスコーティング剤です。
実店舗があるということもあり、効果は保証されているようなものですが、口コミでも他社と比較して塗りやすいと高い評価を得ています。
楽天や多くのレビューが投稿されていて、実際に使用した方たちの満足度も高いことがわかります。
リボルトプロは施工後のメンテナンスもかねて非硬化型のガラスコーティング剤『リボルト』と併用が推奨されています。
リボルトプロの耐久性はセットで使用して3年程度となっているので、単品での使用はあまりおすすめできないでしょう。
美コート
美コートは一般財団法人 日本塗料検査協会で耐久性の検査を受け、5年以上持続するという結果がでている耐久性に優れたガラスコーティング剤です。
また、口コミでの評判も良く、少量で良く伸びるので施工しやすいと高い評価を受けています。
上記の2商品より口コミ件数は少ないですが、第三者機関による検査結果もあるので、安心して購入できるガラスコーティング剤といえるでしょう。
まとめ
本格的なガラスコーティングを自分でやるのは難しいというイメージがあると思いますが、コーティング自体の施工は比較的簡単なので、特に新車購入時のDIYはおすすめです。
一方、下地処理を伴う場合のDIYはやや難易度が上がってしまう傾向があります。大きな失敗をしないためにも、コンパウンドやポリッシャーの使い方を良く理解してからDIYに挑戦しましょう。
また、ガラスコーティングを長持ちさせるためには、普段のメンテナンス、つまり洗車が重要です。
ガラスコーティングをかけると手洗い洗車が必要だと思っている方も多いですが、洗車機を利用してはいけないわけではありません。
コーティング車におすすめの洗車機メニューについては下記の記事でも解説しているので、興味のある方は併せてチェックしてください。
洗車機を上手く利用すれば日頃のメンテナンスがきっと楽になるはずですよ。