カーリースを利用する場合、特に注意しなければならないのが利用中の事故です。
自分が車をぶつけたりする事故については注意すれば防ぐことができても、運悪くもらい事故に遭ってしまう場合もあります。
仮に全くこちらに非がない事故だったとしても、リース車の場合は追加費用を負担しなければならないケースもあるので注意してください。
ここでは、リース車の事故がおきた場合に任意保険で補償される内容と、されない内容を解説します。
また、リスクを最小限に抑える保険についても紹介するので、これからカーリースを利用する方は参考にしてください。
リース期間中に事故を起こしてしまったら?
カーリースの利用期間中に事故を起こしてしまった場合、まずやるべきことは以下の5つです。
- 負傷者の救護
- 安全の確保、危険防止措置
- 警察や救急へ連絡
- 保険会社へ連絡
- リース会社へ連絡
事故を起こしてしまった直後はパニック状態にあると思いますが、できるかぎり冷静に対応することが大切です。
まずは負傷者の救出と安全確保をし、必要に応じて救急車の手配をします。車が移動可能な状態であれば、路肩や安全な場所に移動しましょう。
その後は警察に連絡し、事故がおきたことを報告します。軽い事故であっても届け出は必要ですし、保険を使用できなくなってしまうこともあるので必ず警察へ連絡してください。
警察の到着したら状況説明などを対応に追われるので、保険を使用する場合は到着前に保険会社へ連絡をいれておくと良いでしょう。
修理費用や示談交渉など、基本的には保険会社が全ておこなってくれるので安心して下さい。
また、カーリースでは事故がおきた場合にリース会社へ報告する義務があります。
リース会社へ連絡をしないと契約違反となり、違約金や強制解約となる場合もあるため、忘れずに連絡しましょう。
自動車保険(任意保険)への加入は必須
カーリースでは料金に自賠責保険(強制保険)料も含まれていますが、自賠責保険だけでは事故に対する補償が十分とはいえません。
カーリースだからというわけではありませんが、万が一のときに備えて自動車保険(任意保険)に加入することをおすすめします。
また、自賠責保険では自分の車の修理費用までは保証されません。
カーリースでは、契約満了時に車を返却、または乗り換える際に原状回復義務があるため、傷や凹み、故障などは自己負担で修理する必要があります。
事故の損害によっては修理費用が高額になるケースもあるので、カーリースを利用する場合は自動車保険に加入し、さらに車両保険に入っておくと安心です。
カーリースでもらい事故に遭ったらどうなる?
事故はいつおきるかわからないので、自分に全く非がなくても巻き込まれてしまう場合があります。
例えば、信号待ちで停車中に追突される、買い物などで駐車場に停めていたらぶつけられたといった場合。
このような『もらい事故』であっても、対応は基本的に事故を起こした場合と同じです。
自分に非がないと思っていても過失割合がつく場合もあるので、保険を使用するかどうかに関わらず、念のため保険会社へ事故に遭ったことを報告しておきましょう。
保険会社へ連絡しておけば、その後の交渉については保険会社同士でやってくれるので、自分で対応する必要は殆どなくなります。
また、誰が修理費用を負担するかに関わらず、リース会社への連絡は必須になるので、忘れずに連絡しておきましょう。
リース会社への連絡なしで勝手に修理してもいいの?
もらい事故の場合は相手が修理費用を全額負担するケースも多いので、リース会社へ連絡しなくてもよいと思ってしまいがちです。
しかし、カーリースでは車の所有者はあくまでリース会社になるため、勝手に修理することはできません。
リース会社によっては修理工場などが決まっている場合もありますし、本来負担する必要のない費用まで負担している場合もあります。
また、あとで勝手に修理したことが判明した場合、契約違反で追加費用を請求されたりする可能性もあるので、必ずリース会社へ連絡して指示に従ってください。
車をぶつけても修理すればバレないと思っているかもしれませんが、修理箇所は見る人がみればわかります。
後でトラブルにならないためにも、事故があった場合は必ずリース会社に報告しましょう。
もし全損した場合は強制解約に…
事故で車が修理不可能、もしくは修理費用が車の価値を上回る場合、『全損』という扱いになります。
もしリース期間中に車が全損となってしまった場合、契約の継続が困難になるため、殆どのリース会社では強制解約となる場合が殆どです。
ここで注意したいのが、一部を除いてカーリースでは基本的に中途解約は不可となっていること。
車が全損になった場合はやむを得ず解約となるわけですが、その際には車の代金はもちろん、それとは別に解約手数料や違約金といった料金が別途請求されます。
つまり、全損で強制解約となった場合、(未払いの税金などを除いた)残りのリース料+残価+解約手数料(違約金)を払わなければいけないということです。
しかも、基本的には一括で精算しなければならないため、カーリースを利用する際はこのようなリスクがあることは理解して利用しましょう。
リスクに備えてリース車用の特約がついた保険がおすすめ
車両保険に加入していれば全損扱いで満額保険金が支払われるため、残りのリース料や残価の部分は殆ど保証されます。
しかし、カーリースの解約手数料や違約金といった費用は車両保険でも保証の対象外となってしまうため、追加費用がかかってしまうでしょう。
ただし、最近では全損時の強制解約に備えるために、リース車用の特約を用意している保険会社もあります。
リース車用の特約では全損時の解約手数料や違約金も保証されるので、万が一車が全損になっても追加費用の心配はありません。(免責がある場合は免責分の支払いは必要)
他にもリース期間中に保険を使用しても保険料が上がらないなど、リース車用にメリットが多いので、できればリース特約のついた自動車保険に加入するのがおすすめです。
リース特約がある自動車保険会社
リース特約がある自動車保険会社を調べてみましたが、確認できたのは以下の5社でした。(2021年10月現在)
大手損害保険会社4社はさすがというべきか、全て対応していますね。保険料が安いことで人気の通販型の保険会社では、楽天損保では特約があるのを確認できました。
とはいえ、カーリースの利用者は増えてきていますし、今はなくても今後対応する保険会社もあると思います。
もしかしたら他の自動車保険にも同様の特約があるかもしれませんので、契約前に確認してみてください。
加入したい損保にリースカー特約がなかったら?
今まで加入していた保険会社をそのまま利用したい場合など、加入したい損保にリースカー特約がない場合もあるかもしれません。
その場合、車両保険は全損時に支払われる保険金額をある程度上下できるので、金額を高く設定しておけばカーリースの解約手数料にもある程度対応できると思います。
ただし、車種によっても設定できる金額は変わりますし、必ず全額カバーできるとは言えません。
また、車両保険の金額を高く設定すればその分保険料も上がるので、その点も考慮して加入する保険会社を検討してください。
利用するカーリースによっては任意保険も月々の料金に含めることができるので、1つにまとめたい方はリース会社が扱う保険に変更するのもありだと思いますよ。
まとめ
カーリースを利用するにあたって自動車保険(任意保険)への加入は必須ですが、万が一の時に備えてなるべく車両保険付きで加入することをおすすめします。
ただし、カーリースの場合は車が全損するほどの事故があった場合、車両保険をつけても解約手数用や違約金までカバーできない可能性が高いです。
もらい事故であっても全損になるケースは考えられるため、全てをカバーするにはリースカー特約がついた保険への加入をおすすめします。
このように、カーリースは内容やメリット、デメリットをよく理解して利用しないと、後で後悔するケースも多いでしょう。
下記の記事ではカーリースのよくある失敗をまとめてあります。これからカーリースを利用する方は宜しければ参考にしてください。