法人向けカーリースは車を購入するときのように面倒な減価償却の必要がなく、料金を経費として計上できるという大きなメリットがあります。
そのため、法人向けカーリースは現在も人気ですが、いくら料金を経費計上できるとはいえ、同じ車を利用するなら料金が安いほうがいいですよね。
リース会社によって細かい内容が違うケースも多いため、単純に料金だけで比較すると損をする場合もあるので注意してください。
ここでは、法人向けカーリースを選ぶときのポイントや、人気の法人向けカーリースを比較してそれぞれの特徴を解説します。
これから法人でカーリースを利用しようと考えている方は是非参考にしてください。
法人向けカーリースを比較するときのポイント
法人向けカーリースといってもリース会社によって細かい内容が違うため、料金も内容次第で大きく変わってきます。
法人向けカーリースを比較する際には、
- 契約期間
- 契約形態と残価
- 走行距離制限
- メンテナンス費用
をチェックして比較しましょう。
単純に料金だけで選ぶと失敗するケースが多いため、使用方法にあったカーリースを選ぶことが結果的に料金の安いリース会社を選ぶことに繋がります。
契約期間
法人向けカーリースは契約期間が選べるところもあれば、最初から決められているところもあります。
利用する期間や乗り換えサイクルが決まっている場合、契約期間が無駄にならないように選ぶと費用を節約できるでしょう。
また、カーリースは基本的に中途解約不可となっているため、やむを得ず解約する場合は手数料や違約金が発生します。
中には手数料なしで解約可能なリース会社もあるので、心配であればそういったリース会社を選ぶのがおすすめです。
契約形態と残価
カーリースの契約形態にはオープンエンド契約とクローズエンド契約の2種類あります。
2つの違いは残価(契約時に決める買取価格)が公開されているかどうかで、どちらにもメリットとデメリットがあります。
オープンエンド契約の場合、契約時に残価をある程度自由に設定できるため、残価を高めに設定して月々の料金を安く抑えるといった調整が可能です。
しかし、残価設定に自由度がある分、契約満了時に残価と実際の価値に差額が発生した場合は精算義務が発生し、利用者が差額分を補填しなければなりません。
一方、クローズエンド契約の場合は残価が非公開なので、車に故障や傷などの問題が特になければ、契約満了時に残価との差額を精算する必要はありません。
ただし、残価を高くすればするほど業者側のリスクが高くなるため、基本的に残価は低めに設定されるケースが多く、月額料金がやや高い傾向にあります。
このように、どちらが良い、悪いというわけではありませんが、メリットとデメリットを理解して利用することが大切です。
走行距離制限
法人向けカーリースにも走行距離の制限があり、月あたり何km、もしくは契約期間内に何kmまでと決められています。
もし、走行距離制限をオーバーした場合、契約満了時に1km○円という形で精算することになるのが一般的です。
大幅にオーバーすれば高額な追加費用が発生するケースもあるので、事前にどのくらい走行距離が必要か把握しておきましょう。
ただし、設定されている走行距離が多いほど残価は低くなり、利用料金は高くなります。
走行距離制限に余裕を持たせすぎると損をする可能性が高いので注意してください。
メンテナンス費用
法人向けカーリースには大きく分けると、
- ファイナンスリース(メンテ無し)
- メンテナンスリース(メンテ費用込み)
といった2つのプランがあります。
料金が安いのはファイナンスリースですが、メンテナンスリースは車検や整備を全て任せることができるため、車両管理や経費計上の面からみてもかなり楽になるでしょう。
どちらがいいかは好みによるところですが、法人の場合は自社でメンテナンスができる場合などを除いてメンテナンスリースがおすすめです。
また、メンテナンスプランがオプションになっているカーリースも多くあります。
オプションになっている場合は、リース会社やプランによって含まれるメンテナンスが違うので注意してください。
人気の法人向けカーリースの比較
法人向けのカーリースを扱う人気のサービスをそれぞれ比較してみました。
リースナブル | オリックス | ニコノリ | コスモ | KINTO | |
契約期間 | 3年、5年(商用車は5年) | 3~7年 | 原則5年(それ以外も可) | 3~7年 | 3年、5年、7年(レクサスは3年のみ) |
契約形態 | オープンエンド | クローズドエンド | クローズドエンド | クローズドエンド(法人) | クローズドエンド |
走行距離制限 | 車種によって異なる | 500~2500km/月 | 応相談(最大2500km/月) | 500~1500km/月 | 1500km/月 |
メンテナンス | オプションで選択可能 | メンテ有、無を選択可能 | オプションで選択可能 | オプションで選択可能 | 料金に含まれる |
その他 | いつでも解約可能 | 中古車のリースも可能 | 契約は来店必須 | ガソリン最大5円/L引き(月100Lまで) | 任意保険料も料金に含まれる |
比較してみると、メンテナンスに関しては殆どのカーリースで選択できるようになっていますが、現在はオプションで追加するところが多いようです。
業種にもよると思いますが、法人で利用する車は走行距離が多くなる傾向にあるので、走行距離制限については注意したほうが良いかもしれません。
法人向けカーリースおすすめランキング
上記で比較した法人向けカーリース5社をおすすめ順に詳しくご紹介します。
車種や選択するプランによっても違いますが、料金が安いリース会社を上位にしているので、選ぶ際の参考にしてください。
オリックスカーリース - 安くて中古車も選べる!

- リース業界大手ならではの低価格な料金設定
- 国産メーカーならほぼ全ての車種に対応可能
- 提携整備工場が全国に9,000箇所以上あるので安心
- 新車だけでなく中古車もリース契約可能
カーリース大手のオリックスカーリースは、そのスケールメリットを生かした低価格な料金設定が魅力です。
法人向けのプランはシンプルで分かりやすく、ファイナンスリース(メンテ無し)とメンテナンスリース(メンテ有り)の2つ。
特にファイナンスリースは他社と比較しても料金が安いので、自社でメンテナンスをする場合やとにかく安く利用したい場合にもおすすめです。
メンテナンスリースは基本的にフルメンテなので、追加費用の心配なく安心して任せることができます。
また、オリックスカーリースは月ごとに特選車が用意されているので、タイミングが合えばいつもよりお得に利用できるチャンス!
さらに、中古車にも法人プランがあるので、新車にこだわらない場合はもっと安い料金で利用できる可能性もあります。
選べる車種も豊富なので、法人契約でもまず最初にチェックしておきたいカーリースといえるでしょう。
リースナブル - 軽自動車や人気車種が安い!

- 人気車種に絞った高残価設定で料金が安い
- メンテナンスプランはオプションで追加
- 手数料無料でいつでも解約可能
- 残価精算に備えた積み立てサービスあり
リースナブルは法人契約も可能なカーリースで、人気車種に厳選しているため残価を高く設定しやすく、その分月額料金も非常に安く設定されています。
特に個人にも人気のある乗用車がかなり安いので、車種によってはどこよりも安く利用できる可能性が高いです。
ただし、リースナブルはオープンエンド契約で走行距離制限も少なめで、残価もかなり高く設定されています。
そのため、車の状態や乗り方によっては契約満了時に追加料金が発生する可能性が高く、その点には注意が必要です。
しかし、リースナブルには追加料金の発生に備えた『たま~るプラス』という積み立てサービスがあり、毎月3千円の積み立てで最大50万円の残価サポートができます。
積み立てた金額は使わなければ次の車の支払いにも使えるので、契約満了時の追加料金が心配な方は、たま~るプラスへの加入がおすすめです。
KINTO - 保険料もコミコミ!

- トヨタ車だけでなくレクサスも法人契約可能
- メンテナンス、任意保険料も全てコミコミ料金
- 中途解約手数料が他社より割安
- メンテナンスは正規ディーラーで安心
トヨタ自動車のサブスクであるKINTOは法人契約も可能で、メンテナンス費用や任意保険料まで全てコミコミ料金というのが特徴です。
対象はトヨタやレクサスの人気車種、グレードに限定されますが、他社ではリースできないレクサスが選べるだけで価値を感じる方も多いと思います。
全てコミコミ料金なので高いと誤解されがちですが、保険も車両保険付きで直接雇用の従業員までカバーできるため、トータルで考えると他社より安いケースも多いです。
また、中途解約の手数料が他社より割安なので、急に車両の見直しが必要な時も無駄な出費を抑えることができます。
ただし、KINTOは1台ずつの契約しかできないため、数十台をまとめて契約したいといった場合には不向きといえるでしょう。
任意保険についても団体割引などが利用できないので、どちらかといえば車の必要台数が少ない事業者向けのサービスです。
コスモMyカーリース - いつもの店舗でアフターフォローが充実!

- 国産車のほぼ全ての車種に対応
- メンテナンスプランは3種類から選択可能
- プランに応じてガソリンの値引きサービスあり
- いつも利用する店舗でアフターフォローも安心
コスモMyカーリースはガソリンスタンド中でも早くからカーリースに力を入れていて、法人契約にも対応しています。
車種も国産車であれば基本的に全車種対応可能で、契約満了時は乗換え、再リース、返却の3つから選ぶことが可能です。
コスモMyカーリースはメンテナンスも日頃利用しているガソリンスタンドで受けられる点が便利で、最大5円/L引きとなるガソリン値引きも嬉しいポイント。(月あたり100Lまで)
上記の2社に比べると料金は若干高いですが、近くにコスモ石油がある場合は利用中の使い勝手が1番良いかもしれません。
ただし、コスモ石油の全ての店舗でカーリースを取り扱いしているわけではないので、契約する前に確認しておきましょう。
定額ニコノリパック - 柔軟なプラン設計が魅力!

- 国産車のほぼ全ての車種に対応
- 車検、オイル交換込みの料金設定
- 契約期間中のガソリンの値引きサービスあり
- 契約には来店必須で対応店舗がやや少ない
定額ニコノリパックはガソリンスタンドなどに加盟店が多く、車検やオイル交換が料金に含まれているのが特徴です。
ネット上に掲載されているプランはあくまで一例にすぎず、車の使い方や希望に合わせて柔軟な対応ができるところもニコノリの魅力といえるでしょう。
料金も比較的安いのでおすすめではあるのですが、他社と違ってWebでは問い合わせしかできず、契約には来店が必ず必要になります。
また、ガソリンスタンドではそれぞれが独自のカーリースを提供しているところも多いので、定額ニコノリパックのリースを取り扱う店舗はまだまだ多くありません。
サイト上で確認したところ、2021年11月現在では全国84店舗となっていますが、近くに対応店舗がない方には不便さを感じてしまうでしょう。
直接話を聞きながら契約できるというのはメリットでもあるため、近くに店舗がある場合はネットでの契約よりも満足度の高いリース契約ができるはずです。
まとめ
カーリースは元々法人向けサービスとして知られていたので、個人向けカーリースがメインのサービスでも法人契約可能な場合が多いです。
安いカーリースを探すなら料金だけで比較しても内容が色々違う場合も多いため、比較する際には下記の項目を必ずチェックしてください。
- 契約期間
- 契約形態と残価
- 走行距離制限
- メンテナンス費用
また、それ以外にもリース会社によってそれぞれの強みや独自のサービスがあります。
細かい特徴などは今回まとめたランキングを参考にしながら、どのカーリースが合っているか選んでみてくださいね。
法人契約のカーリースは初期費用が不要で経費計上も楽になるので、デメリットよりもメリットが大きいと思います。
とはいえ、デメリットがないわけではないので、まだよく仕組みを理解していない場合は下記の記事も参考にしてみてください。