毎日の電車や徒歩での通勤に疲れてしまい、車通勤に切り替えたいと考える人は増えています。
また、地方では車通勤のほうが便利なことも多く、できれば車で通勤したい人も多いはずです。
とはいえ、車を購入するのは簡単なことではありません。
頭金に使えるようなまとまったお金が用意できない人や、月々の支払いが払い続けられるか心配といった経済的な理由で車を購入できない人も多くいます。
そんなとき、頭金不要で新車に乗れて、月々の支払いも安く抑えられるカーリースは魅力的に見えるでしょう。
しかし、カーリースを通勤に利用する場合、注意しなければならないことがいくつかあります。
もし、何も知らずに契約してしまった場合、購入したほうが良かったかも・・・と後悔する可能性があるので注意して下さい。
このページでは、カーリースを通勤に利用する場合の注意点や、リース会社を選ぶポイントなどについて解説します。
カーリースを通勤に利用する場合の注意点
カーリースを通勤に利用する場合、以下の3点には注意が必要です。
- 走行距離制限
- 返却時の原状回復費用
- 中途解約は基本的に不可
特に走行距離制限はリース会社によって違うため、通勤距離を把握したうえでリース会社を選ばなければ、返却時に高額な追加料金を請求される可能性があるので注意してください。
それでは、上記の3点について詳しく解説します。
走行距離制限やオーバーしたときの対応について
カーリースは契約満了時の目安となる走行距離がわからないと残価が設定できないため、基本的には走行距離制限があると思ってください。(無制限のカーリースもあります)
しかし、各社が設定している走行距離制限はそれぞれ違い、短いところでは月間500km程度、長いところでは月間2,000km程度となっていて、基本的に短いほど利用料金も安いです。
また、決められた走行距離をオーバーしてしまった場合、1kmあたり○円という形で計算され、契約満了時に精算されます。
1kmあたりの料金は各社違いますが、おおよそ10円前後のカーリースが多いです。
例えば、オーバーした分が1kmあたり10円で精算される場合、1万kmオーバーすると10万円の追加料金が発生してしまうことになります。
多少オーバーするくらいなら問題ないですが、大幅に超えてしまうと高額な追加料金がかかるので注意してください。
高額な追加料金がかからないように、通勤距離やリース会社の走行距離制限は事前にチェックしてから利用しましょう。
返却時に原状回復費用を請求されることもある
カーリースは返却時に原状回復義務(元の状態に戻すこと)があるため、傷や凹み、故障などがあった場合は修理費用を負担しなければなりません。
通勤などに使用していると、走行中に小さな傷がついてしまうリスクも高くなるので、場合によっては契約満了時に追加料金が発生してしまうでしょう。
また、修復歴がつくような大きな事故をおこした場合、修理しても車の価値が大幅に下がるため、追加料金を請求される場合があります。
自分の不注意で起こした事故は仕方がないと思えますが、事故はいつ起こるかわかりません。
例えば、自分に全く非がない事故で修復歴が付いた場合、修理費用は相手の負担になりますが、保険でも返却時の追加料金までは保証されないため、自己負担になると思ってください。
避けようのないことですが、通勤で車を利用する場合は事故のリスクも高くなるので、原状回復費用について理解した上でカーリースを利用しましょう。
中途解約は基本的に不可、それでも解約する場合は手数料が発生
カーリースは契約期間中の解約は基本的に不可となっていて、全損事故や盗難などの特別な理由がなければ解約はできません。(一部のカーリースでは解約可能な場合もあります)
なぜなら、カーリースはリース会社が代わりに車を購入し、利用期間に応じて月額料金を計算しているため、途中で解約されるとリース会社に損害が発生してしまうからです。
ちなみに、事故や盗難でやむを得ず解約となった場合、違約金や解約金は基本的に以下のような式で計算されます。(リース会社ごとに計算方法は異なります)
解約金(違約金)=(残期間のリース料+残価)-(未経過分の税金など+解約時の車両査定価格)
ここで注意したいのが、全損時や盗難時の車両査定価格は0円という場合もありえるということ。
つまり、全損事故や盗難で強制的に解約となった場合、高額な解約金や違約金が発生する可能性が高いので注意してください。
また、事故や盗難での解約リスクを避けるためにも、カーリースを利用する場合は車両保険付きの自動車保険に加入することをおすすめします。
保険会社によってはカーリース用に解約金や違約金を補償してくれる特約を用意しているので、そういった保険は特におすすめです。
長距離通勤におすすめのカーリース
通勤距離が長い人には、以下のようなカーリースがおすすめです。
- 走行距離制限が長めに設定されているカーリース
- 走行距離が無制限のカーリース
例えば、通勤距離が往復50kmある場合、22日間通勤すればそれだけで月間の走行距離は1,100kmになります。
もし、休日も車を利用する場合はその分も考える必要があるため、少なくとも月間1,500km~2,000km程度の走行距離は必要になるでしょう。
走行距離制限があるカーリースでは、多くても月間2,000km程度になっています。
月に2,000km以上、または年間24,000kmを超える場合は、走行距離が無制限のカーリースがおすすめです。
バランスの良いプランが魅力のオリックスカーリース
オリックスカーリースは、走行距離制限が月間2,000kmと多めに設定されているため、比較的長い通勤距離の人にもおすすめです。
プランは5年、7年、9年と3種類あり、それぞれ一定期間利用すると途中で乗り換えもできるようになります。
さらに、7年以上のプランでは契約満了後にそのまま車が貰えるため、契約満了後まで乗り続けるなら走行距離制限は実質無制限です。
また、オリックスカーリースにメンテナンスプランはありませんが、新車の場合はオイル交換や車検の無料クーポンがついているのでお得感があります。
中古車も取り扱っているため、安く利用したい人にもおすすめのカーリースです。

走行距離無制限を選ぶならMOTAカーリース
MOTAカーリースは、全てのプランで走行距離が無制限になっているため、走行距離を気にしたくない人や月間2,000km以上乗る人におすすめです。
プランは5年、7年、11年の3種類で、どのプランでも契約満了後に車がそのまま貰えます。
車を購入したときと同じようにカーリースが利用できるため、カスタマイズなどをしたい人にもおすすめです。
また、MOTAカーリースは2021年9月から中古車のカーリースにも対応(3年~6年)対応しています(中古車の場合、契約満了後に車をもらうにはメンテナンスプランに加入が必要)。
MOTAの中古車カーリースは掲載台数も非常に多く、新車から5年以内、走行距離5万km以内、修復歴なし、といった状態の良い中古車のみ掲載。
状態の良い中古車を探している人や、長く乗れる中古車を探している人にもおすすめです。
月額料金を安くしたいなら定額カルモくん
定額カルモくんは、新車なら1年~11年まで、中古車なら3年~8年のプランがあり、年単位で契約期間を選択できるカーリースです。
新車、中古車ともに長期プランの契約が可能なので、できるだけ月額料金を安くしたい人におすすめのカーリースといえるでしょう。
走行距離制限は月間1,500kmと一般的な設定ですが、新車の場合は7年契約以上なら+500円でもらえるオプションに加入できます。
もらえるオプションに加入すれば契約満了後は追加費用無しで車が貰えるので、実質走行距離の制限はありません。
また、定額カルモくんは中古車の掲載台数が最大級で、新車と違って走行距離制限がなく、メンテナンスプランに加入すれば契約満了後はそのまま車が貰えます。
中古車選びは気に入った車があるかどうかが重要なので、中古車のカーリースを検討している人は定額カルモくんのチェックは必須です。
通勤で長距離乗るなら購入したほうがお得?
金銭的なメリットだけを考えるなら、基本的にカーリースよりも現金やローンで購入したほうがコスパは良くなります。
なぜなら、カーリースは税金や車検代などがコミコミになっていて、その全てにリース料率(金利のようなもの)がかかるため、ローンよりも支払い総額が高くなる傾向にあるからです。
特に月2,000km以上走行する人の場合、必然的に走行距離制限のないカーリースを選ぶことになりますが、制限がないということは残価設定がない(残価がほぼ0円)ということ。
つまり、頭金なしでフルローンを組んでいるのとほとんど変わらないため、月額料金を比較してもローンより高くなる可能性があります。
ただし、カーリースには車の維持費を定額にできたり、乗り換えや返却時の手続きが簡単になるといった金銭面以外のメリットも多いです。
月間1,500km~2,000km程度であれば選べる選択肢も増えるため、人によってはローンよりも月額料金を安く抑えることもできます。
自分の利用方法に合わせてカーリースを選べば様々なメリットを感じることができるので、色々なカーリースをみて検討しましょう。
おすすめのカーリースについては、よろしければ下記の記事も参考にしてください。
まとめ
カーリースを通勤に利用する場合、走行距離制限や原状回復費用をよく理解して利用しないと、後で追加費用が発生する可能性があるので注意しましょう。
カーリースは途中で解約することは基本的にできませんが、全損事故や盗難によって強制解約されてしまう場合があり、その際に高額な解約手数料や違約金が発生する可能性があります。
ですから、必ず車両保険付きの任意保険に加入することが大切で、カーリース用の特約がついている保険だと尚安心です。
また、カーリースは得なのか損なのか気になっている人も多いと思いますが、支払い総額だけで比較した場合、基本的に購入したほうがコスパは良くなります。
しかし、カーリースのメリットは他にも色々ありますし、利用する人によってはお得に利用できる場合もあるので、必ずしもカーリースは損をするというわけではありません。
下記の記事では、カーリースのメリットやデメリットについてや、購入した場合との比較をまとめてあります。興味がある方はよろしければ参考にしてください。