カーリースは契約期間終了後の残価を設定する関係上、走行距離に制限があることも多く、仮に走行距離の制限をオーバーしてしまった場合、超過した距離に応じて追加料金が発生します。
制限といっても月あたり1,000~1,500kmくらいが一般的で、それほど距離を乗らない人にとっては心配する必要がないのかもしれません。
しかし、毎日通勤で長距離乗る人にとっては大問題。例えば往復50kmを週5日間、それを4週間続けただけで1,000kmなんてあっという間です。
ですから、車を長距離乗る人がカーリースを利用する場合、走行距離の制限がないサービスをおすすめします。
走行距離の制限さえなければ、毎日のように長距離通勤しても問題ありませんし、休みの日にどこへでもドライブすることも可能です。
ここでは、走行距離に制限のないカーリースやデメリットについてご紹介します。
そもそも何故カーリースは走行距離に制限があるのか?
カーリースに走行距離制限がある理由は、あらかじめ契約満了後の残価(簡単に言えば下取り価格)を設定しているからです。
一度でも車を売却、または中古車を購入したことがあれば分かると思いますが、中古車の価値は走行距離によっても変動します。
例えば、同じ年式の車で走行距離が3万kmと5万kmの車があった場合、基本的には3万kmの車の方が価値が高いです。
走行距離が数万km変われば中古車の価値が数十万円変わることもあるでしょう。
つまり、走行距離の制限なしで残価を設定した場合、利用者は車をたくさん乗るほどお得になり、業者側が損をしてしまいます。
このように、カーリースの仕組みを理解すれば、走行距離を制限するのが当然のことだと分かるでしょう。
カーリースは走行距離を制限し、残価を設定するから安く利用できるともいえるのです。
設定されている走行距離をオーバーしたらどうなる?
走行距離制限があるカーリースの場合、契約満了時に決められた走行距離をオーバーした分を精算する必要があります。
多くのカーリースでは、オーバーした走行距離に対して1kmあたりいくらという形になっていますが、リース会社によって1kmあたりの料金はバラバラです。
おおよそ1km10円前後に設定されているケースが多くなっていますが、トラブル防止の観点からも契約前に必ず確認してください。
例えば、トヨタのKINTOというカーリースでは、トヨタ車は1kmあたり11円、レクサス車は22円となっています。
仮に1km10円とした場合、1,000kmオーバーしたら1万円、10,000kmオーバーしたら10万円かかることになり、走行距離次第では高額な追加料金が発生するので注意しましょう。
このように、カーリースを利用する上で走行距離制限は重要なポイントの1つです。
通勤などに車を利用する人も多いと思いますが、カーリースを利用する前に1ヶ月にどのくらい車を乗るかシミュレーションしておくことをおすすめします。
長距離乗る人も安心!走行距離が無制限のおすすめカーリース
普段車を乗らないからどのくらい距離を乗るかわからない、大幅にオーバーしてしまう可能性があるから不安という人のために、走行距離が無制限、または実質無制限のカーリースもあります。
走行距離を気にしながら車に乗りたくない人にもおすすめで、車を購入したときと同じような感覚で乗ることができるでしょう。
数あるカーリースの中でも人気があり、特におすすめのカーリースは以下の3つです。
- 定額カルモくん
- MOTA(モータ)カーリース
- もろコミカーコンカーリース
- オリックスカーリース
上記4つのカーリースは、契約期間満了後にそのまま車が貰えるプランがあるという共通点があります。
貰えるプランが適用される条件は、契約年数やオプションへの加入など、利用するカーリースによっても違いますが、どんなに走行距離が多くても契約満了時なら追加料金は不要です。
そのため、車に乗る機会が多く、走行距離制限が気になる方でも安心してカーリースを利用できます。
また、契約期間満了後にそのまま車が貰えるということは、傷や故障などがあっても追加料金はかからないということ。
ですから、契約満了時の残価精算が気になっている人にもおすすめです!
おトクにマイカー定額カルモくん
定額カルモくんは新車や中古車、法人契約といった幅広いカーリースを扱うサービスです。しかも、申込みはネットで完結し、全国どこでも配送してくれます。(離島は別料金の可能性あり)
また、定額カルモくんはメンテナンスプランもオプションで選ぶ形になるため、自分に合わせたプランを比較的自由に選ぶことが可能です。
定額カルモくんは、中古車の走行距離が無制限。新車の場合も+500円/月の『乗り放題オプション』に加入すれば無制限になります。
ちなみに、乗り放題オプションに加入すると、契約期間終了後はそのまま車を貰う選択も可能。
乗り放題オプションはこれまで一部の車種に限定されていましたが、2021年2月~は全ての新車で加入できるようになっています。
定額カルモくんは新車~中古車までの幅広い車種が走行距離を気にせず乗れるため、長距離乗る方にはとてもおすすめです。
ただし、乗り放題オプションの加入条件は、新車を7年以上で契約した場合のみとなります。
中古車の場合は走行距離制限がないため、契約年数を気にする必要はありませんが、新車のリースをする場合は注意してください。
MOTA(モータ)カーリース
- 個人用カーリース(新車・中古車)
- ほぼ全てのレクサス車種が選べる(新車のみ)
- 契約期間は5・7・11年(中古車は3~6年)
- 全車走行距離制限なしでカスタムもOK
- 契約満了後は車がもらえる(中古車はメンテナンスプランに加入が必要)
MOTA(モータ)カーリースは個人用カーリースで、オリックス自動車と提携しているサービスということもあり、レクサスもほぼ全ての車種を取り扱っています。
オリックスとの大きな違いは、契約年数が最長11年まで選べるところで、その分月額料金を安くすることが可能です。ボーナス併用払いを利用すれば、レクサスに2万円台から乗れます。
また、MOTAカーリースは残価設定がないため、走行距離に制限もなく、カスタムも自由にできます。
さらに、全国5,500拠点の工場ネットワークを活用したオプションサービス「メンテナンスプラン」もあるので、面倒な車のメンテナンスを最寄りの工場のプロに任せたい人にもおすすめです。
契約満了後はそのまま車がもらえるようになるため(中古車はメンテナンスプランに加入が必要)、ローンで購入する場合と同じように利用できるでしょう。
もろコミカーコンカーリース
カーコンカーリースは、自動車板金修理のフランチャイズとして全国展開している『カーコンビニ倶楽部』のカーリースです。
カーコンカーリースは、新車や一部の輸入中古車、福祉車両までリースに対応しており、基本プランは7年と9年の2つ。
どちらも契約満了2年前からは返却や乗り換えができたり、頭金やボーナス月の加算払いなどで月々の支払いを調整することも可能です。(中古輸入車は2年前の返却不可)
特に長距離乗る人はタイヤ交換なども必ず必要になると思いますが、カーコンカーリースならタイヤやバッテリー、ベルト交換などを含めたメンテナンスパックをオプションで付けることもできます。
タイヤやベルト交換まで含まれているメンテナンスパックは珍しく、メンテナンス費用もできるだけ月々の支払いにまとめたいという人にはおすすめのカーリースと言えるでしょう。
また、カーコンカーリースはそもそも残価設定をしていないので、契約期間終了後は追加料金なしでそのまま車が貰えます。
つまり、契約期間の途中で乗り換えや返却、または中途解約などをしない限り、実質的に走行距離の制限はありません。
ただし、契約期間満了までいかずに乗り換えや返却などをする場合、月間2,000kmの走行距離制限があります。オーバーした場合はその分を精算する必要があるので注意してください。
ちなみに、カーコンビニ倶楽部の店舗ならどこでもカーリースを取り扱っているわけではありません。
とはいえ、全国には1,000店以上のカーコンビニ倶楽部加盟店があるため、殆どの地域でカーコンカーリースが利用できるでしょう。
オリックスカーリース
オリックス自動車はカーリースを30年以上前からやっている実績があり、新車や中古車、福祉車両や法人契約など、幅広く対応しています。
オリックスカーリースもネットで申込みが完結し、基本的に全国どこでも納車可能です。(離島は不可の場合有り)
オリックスのカーリースには4つのプランがあり、そのうちの1つである中古車プランについては走行距離の制限がありません。
新車のプランには、いまのりくん(5年契約)、いまのりセブン(7年契約)、いまのりナイン(9年契約)があり、それぞれ月間2,000kmの走行距離制限があります。
それぞれ契約満了前に乗り換えや返却ができる期間も設定されていますが、月間2,000kmの走行距離をオーバーした場合は、8円/kmの追加請求があるので注意してください。
とはいえ、いまのりセブンといまのりナインに関しては、契約期間満了時に車が貰う選択もできるため、途中で乗り換えなどをしない場合は走行距離は実質無制限です。
注意点をあげるとすれば、オリックスカーリースのリース料金は低価格に設定されていますが、他社のようなメンテナンスプランはありません。
オイル交換や車検の無料クーポンはついていますが、車検に含まれているのは冷却水とブレーキオイル程度です。
基本的にそれ以外のメンテナンス費用は実費になる点になると思っていた方が良いでしょう。
走行距離が多い車は消耗品の交換や故障も多くなるので、長距離乗る人や1台を長く乗る人は注意してください。
カーリースを走行距離無制限で利用するデメリット
カーリースは走行距離を制限しているからこそ安く利用できるといいましたが、逆をいえば走行距離を無制限にすると月々のリース料金は高くなります。
なぜなら、目安となる走行距離がなければ契約満了時の残価(下取り価格)を設定できないからです。
例えば、総額200万円の車を3年リースするとした場合、残価が100万円なら3年間で残りの100万円を支払う形になります。
一方、残価が設定できない(0円)場合、200万円を分割払いで購入しているのと変わりません。単純に考えれば毎月2倍近いリース料を払うことになるでしょう。
さらに、カーリースは自動車税や重量税などの税金、車検代などもコミコミになっているため、そのままではローンで車を購入するより高くなってしまいます。
そうならないためには、リースの利用期間を長くして月々の支払い額を低くするしかありません。実際、走行距離無制限のカーリースは7年~9年と契約期間がかなり長くなっているはずです。
ちなみに、カーリースはリース会社(クレジット)が間に入っているため、利用料金にはローンでいうところの金利にあたる手数料(リース料率)が含まれています。
つまり、カーリースの走行距離を無制限にした場合、リースの利用期間は自然と長くなり、長ければ長いほど支払う総額は大きいというデメリットがあるということ。
これはローンで車を購入する際にも同じことがいえるため、カーリースに限ったことではありませんが、走行距離が無制限のカーリースを利用する際は注意してください。
まとめ
カーリースは月毎、または契約期間で走行距離を制限されている場合が多く、決められた走行距離をオーバーすると返却時に追加料金が発生します。
通勤などで毎日のように車を長距離乗るなら、走行距離が無制限のカーリースがおすすめです。
走行距離を気にすることなく車を利用することができ、まるで自分の車のようにストレスなくカーリースを利用できるでしょう。
ただし、走行距離が無制限のカーリースは、基本的にかなりの長期契約になるはずです。
月々定額で車に乗れるというカーリースのメリットは変わりませんが、長ければ長いほど支払う総額は大きくなるので注意してください。
また、比較的短期の利用を想定している場合は車のサブスクリプションサービスもおすすめです。
カーリースと良く似ていますが、若干違う点もあるため、興味のある方は下記の記事も併せてチェックしてください。